札幌市、五輪招致「退場に近い」 19日にも方針決定
38年の冬季五輪開催地を巡り、27年までスイスと優先的に協議するとしたIOCの決定を受け、招致を目指してきた札幌市幹部は1日、共同通信の取材に「撤退というよりも退場に近い」と述べ、招致活動の継続は極めて困難との認識を示した。別の幹部は19日に経済界などと協議し、同日にも最終方針を決めると明らかにした。 札幌市はこれまで、将来の招致の可能性を残すため、自ら撤退するとの姿勢を慎重に避けてきたが、IOCの決定を受け、断念に追い込まれる公算が大きくなっている。 IOCは29日にパリで開いた理事会で、冬季大会の最優先候補地を30年はフランス、34年は米ソルトレークシティーにすると決定した。 IOCが理事会で38年の候補地にまで言及したのは、札幌市にとって予想外の展開で、秋元市長は30日、都内で記者団に「かなり衝撃的な決定だと受け止めている」と語っていた。 市幹部はIOCの決定について「27年までは(札幌側と)話さないと言われている」と述べ、当面、実質的な招致活動はできなくなるとの見通しを示した。