16年目で来館者15万人、いぐらの館【山口】
山口市阿知須の旧中川家住宅「いぐらの館」(末永恒二館長)で10日、来場者15万人突破記念セレモニーが開かれた。15年10カ月目の達成に末永館長は「今後も知名度を高め、阿知須の歴史を伝えてきたい」と抱負を語った。 15万人目は近くに住む小林白尚(さだか)ちゃん(2)。母・倫子さん(39)と兄の慈周(めぐみ)ちゃん(5)と共に訪れた。末永館長から認定証と花束、記念品のひな人形が贈られた。 開催中のひなもんまつりで訪れたという倫子さんは「普段から散歩で通っていたが、中に入ったのは初めて。たまたま娘が15万人目になり驚いている」と話した。 同館は、江戸後期から明治にかけて廻船業で栄えた中川家の4代目、令辰(れいしん)により、1884年に居蔵造りで建てられた。2004年に旧阿知須町へ寄贈され、08年4月から一般公開されている。阿知須の歴史資料の常設展示や「籐芯凧」(どうじんだこ)の企画展示、「ひなもんまつり」などイベント開催で利用されている。 居蔵造りとは、火災の被害が大きかった阿知須地域で広まった防火構造を持つ住居。2階部分の背が高く、しっくいを塗り込んで仕上げた白壁と各家によって異なる海鼠(なまこ)壁や家紋入りの鬼瓦を備えている。同館をはじめとした白壁と海鼠壁を持つ居蔵造りの建物が「白壁の街並み」を形成している。