224年前の「算額」新しく制作、龍泉寺(福島県二本松市)に奉納 安達高の生徒
福島県二本松市の安達高生は、市内二伊滝の龍泉寺にある和算の問題と解法を記した224年前の江戸時代の「算額」を元に、新しい算額を制作した。同寺に奉納し、郷土の歴史と学問への情熱を継承した。 元となった算額は江戸時代の1800(寛政12)年、二本松の和算家高田要五郎一正が納めた。縦97・6センチ、横34・2センチで、米の貯蔵量をネズミや虫の害による目減り分を考慮しながら問う内容を記す。県内に現存する算額で最古とされ、市有形文化財となっている。 経年劣化で判読しにくくなっていることなどから、日本数学協会福島支部の五輪教一代表が昨春、新たな算額の制作を提案。原題を一部補い、同校の創立100周年に合わせて美術部の5人と書道部(日本文化部書道班)の14人が制作に取り組んだ。手分けして杉板に米俵の絵を描き、問題と解法を記した。裏面には制作した生徒の名前を入れた。地元の田中家具が仕上げた。 部員全員が出席して同校で奉納式を行い、美術部の渡辺日菜乃部長(2年)と書道部の斎藤美紅部長(同)が龍泉寺の武田良典住職に手渡した。伊藤勝宏校長があいさつし五輪代表が「数学を愛し、勉強した人がいたことを知ってほしい」と解説した。
渡辺さん、斎藤さんは「昔の言葉を知ることができた」などと目を輝かせ、武田住職は「次代を担う多くの生徒が関わってくれてありがたい」と感謝した。算額は境内の観音堂に掲げる。