ソフトバンクGが3000億円の外債発行、投資家はAI成長性に期待
(ブルームバーグ): ソフトバンクグループは28日、総額約3000億円の外貨建て社債を起債したと発表した。人工知能(AI)分野の成長性に投資家の期待が高まる中、同社はことし債券市場で1兆5000億円を調達した。
ドル建ての5年債(4億ドル、643億円相当)と7年債(5億ドル)、ユーロ建ての4.5年債(4億5000万ユーロ、774億円相当)と8年債(4億5000万ユーロ)の計4本の発行条件を決めた。利回りはそれぞれ6.75%、7%、5.375%、5.75%。調達した資金は債務の償還と事業資金に充てる。
ブルームバーグのデータによると、ソフトバンクGの外債は2021年7月以来3年ぶりとなる。孫正義社長は6月の国内通信子会社の株主総会で、今後の投資について、海外を中心に「次の大技を狙う。ダイナミックにやっていく」と発言。財務の守りを固めるとしてきた最近の戦略転換を示唆していた。
東海東京インテリジェンス・ラボの中川隆シニアクレジットアナリストは、「債券投資家はAI関連の将来的な成長性に期待してソフトバンクGに投資しているようだ」と話す。
ブルームバーグのデータでは、今回の起債により、ソフトバンクGのことしの社債発行額は円建てを含めて総額約1兆5000億円になった。中川氏は、大型起債で「財務上の柔軟性が大きく高まった」とし、「新規投資の環境が整いつつある」と指摘した。
孫社長は27日、米医療テクノロジー企業テンパスAIと合弁を8月に設立し、AIを活用した医療データ解析サービスに乗り出すと発表した。資本金は300億円で折半出資とし、年内にも国内の13の中核病院でサービスを開始する。
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Takahiko Hyuga