"隠れ患者"から感染拡大の恐れ マイコプラズマ肺炎、陰性でも注意!長引く咳がサイン?医師に聞く
しかし培養には特殊な培地が必要で、その培地も手に入りにくく、結果が分かるまでに2、3週間かかります。このため、実用的な検査とはいえません。血液検査で肺炎マイコプラズマに対する抗体を測定しますが、この検査も結果がでるのに時間がかかります。 近年、咽頭拭い液を用いた抗原迅速診断キットが広く用いられるようになっており、30分以内に結果がでる簡便な検査ですが、感度が高くないため、肺炎マイコプラズマ感染があったとしても陽性にならないことがあります。LAMP法やPCR法などの核酸増幅法は、精度が高い検査ですが、どの病院でも実施できるわけではなく、限られた施設でしか検査が出来ません。 ■‟隠れ患者”から感染拡大の可能性 【質問】 診断はつかないものの実際は感染している「隠れ患者」は多くいるとみられているのでしょうか?自覚がない方による感染の拡大も考えられるのでしょうか? 【回答】 マイコプラズマに感染しても多くの人は軽症で、1週間程度で治癒していくため普通の風邪との区別が難しいこともあります。症状が現れている時が最も感染を広げやすいと言われていますが、潜伏期間中や、症状が寛快した後も4~6週間程度は保菌状態に有ると言われています。このため、症状が軽い「隠れ患者」の人から感染が広がることも考えられます。 ■2016年以来の大規模流行 【質問】 今年、流行している要因として考えられていることはなんでしょうか? 【回答】 マイコプラズマ肺炎はおよそ3~7年毎に流行を繰り返してきました。今年は2016以来の大規模な流行となっています。 要因の1つに、コロナ感染症のパンデミック対策に伴って、マイコプラズマに対する抗体を有している人が減少してることが考えられます。また、現在流行しているマイコプラズマ肺炎は、新型コロナ感染症拡大以前とは異なるタイプの株が主流となっていることも大きな要因ではないかと指摘されています。 発熱や全身の倦怠感、頭痛、咳(痰を伴うことが少ない乾いた咳)などの症状がみられ、熱が下がっても咳が長期間続くのが特徴的です。