勝ち切ったという自信と誇りがある。これは実に大きな要素よ。もちろん過信はあかんけど連覇に向け、みんな自覚が高い【岡田彰布のそらそうよ】
無理にアピールする必要なし
今年のキャンプは若い選手がたくさん出てきた。これはアマスカウトの力やと思う
春季キャンプ中、ひたすらじっと練習を見守った。投打で元気のある若手が育ち始め、底上げがされているという実感がある。日本一になり選手たちの自覚も肌で感じた。球団初の連覇に向け、充実の2月を過ごすことができたようだ。 写真=BBM 1カ月ぶりのご無沙汰です。阪神の監督、岡田彰布です。月に1度、現役の監督が記すコラム。これが珍しいとのこと。監督がいろいろとナマの情報を明かす……というのは、影響があるとのことだが、そこは「そらそうよ」。週刊ベースボールとはホンマ、長い付き合いであり、球団も快く受け入れてくれたし、チームとファンの皆さんの橋渡しになれば、とオレは考えている。 これを書いているのは沖縄。キャンプもいよいよ大詰めになった。2月1日から始まった沖縄の宜野座キャンプはホンマ、アッという間に終わりを迎えようとしている。正直、早かった……というのが偽りのない感覚よ。時の流れが早いと感じるのは充実感があったから? そうかもしれない。この1カ月、また新たな発見があったからね。 1年前。このときから「優勝」の2文字を封印して、あえて「アレ」を目指した。その目的どおり、リーグ優勝、日本一になった。でもそれはあくまで昨年のこと。年をまたげば、新たなチャレンジのシーズンになる。もう「アレ」もやめた。今年は堂々と宣言する。「連覇」です。連覇に挑戦できるのは、ウチだけ。「アレ」は優勝を意識させぬための言葉だったけど、今年は大いに意識してもいい。はっきりと連覇を口にして、堂々と進めばいい。オレは選手みんなにそう伝えている。 もちろん、たやすいことではない。続けて勝つことの難しさをオレ自身、よく分かっているつもりよ。しかし、その困難さ以上のチームの強さが、いまのタイガースにはある。その手応えは十分よ。 周りやファンは心配してくれているようだ。このオフ、大きな補強がなかった。これが不安と聞いた。補強と言えばドラフト、外国人(ゲラひとりだが)、現役ドラフト。それくらいだったが、それ以上に大きな補強があった。それが若い選手の成長、突き上げよ。 若い芽がどんどん出てくる。それは野手も投手も同様だ。ここであらためてタイガースのアマスカウト陣の眼力の確かさを思う。ホンマ、たいしたもの。ここまで若い選手が台頭してくるとは。スカウトはそれをイメージしていたんだろうな。 オレはキャンプの期間、若い選手には「無理にアピールする必要なし」と伝えている。そら選手は必死よ。何とか目立って一軍へとか、レギュラーにとか考えている。でもそこで無理するのが怖い。余計なアクシデントを呼ぶ危険性があるわけで、自分のできることをやればいい。ちゃんと見るべき人は見てるから。そんな中、結果を出してきたのが・・・
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週刊ベースボール