特殊詐欺被害額、昨年の3倍に 福井県内1億7千万円、警察官かたる手口が増加
福井県内の今年の特殊詐欺被害額が11月末現在で約1億7千万円となり、約6千万円だった昨年1年間の3倍に迫っている。過去7年で最多となり、5年ぶりに1億円を超えた。警察官をかたる手口が増えており、福井県警生活安全企画課は「警察が現金を口座に振り込むよう求めたり、口座から引き出すよう要求することはない」と注意を呼びかけている。 認知件数は26件で昨年同期比で2件減ったが、被害額は約1億1100万円増えている。60代女性が架空料金請求詐欺で約5100万円をだまし取られるなど、1件当たりの被害額が拡大傾向にある。 内訳はオレオレ詐欺が11件で被害額約5900万円、架空料金請求詐欺が6件で同1億400万円、キャッシュカード詐欺盗が5件で同約400万円などとなっている。 今年の傾向として、警察をかたる手口が11件と多い。特に「050」から始まるIP電話を使い、警察官をかたって現金をだまし取る事件が目立つ。IP電話はインターネット回線を利用して通話する。低価格で利用できるため、特殊詐欺グループが悪用するケースがあり、県警は「警察官が『050』の番号で電話をかけることはない」としている。
福井新聞社