実写『シティーハンター』大当たりのワケ。思わず「鈴木亮平のマネ」をしたくなる快感シーン
1人でこっそり真似したくなるシーンの連続
2人は何とか壁に隠れて攻撃を防ぐが、香は「なにこれ! 聞いてない!」と絶叫。獠は「仕方ない、プランBだ」と作戦変更を告げるが、香はすかさず「もとからAなんてないでしょ」とツッコむ。映画冒頭に獠が「仕方ない、プランBでいきますか」と口にして、槇村から「もとからAなんてないだろ」と呆れられていたシーンがあったが、兄と同じツッコみを香が見せたことで、「やっぱりこの2人は兄妹だな」という表情を獠が浮かべるシーンはたまらない。 ただ、エモさに浸らせる暇を与えずに獠は抗戦。獠はライフルを持ちながら“神エイム”(優れた銃の狙いで命中を繰り返すこと)を発揮して敵兵をなぎ倒す姿は相変わらずカッコいい。また、香が獠の掛け声に合わせてマガジンをパスすすコンビプレーも冴えわたる。獠が二丁拳銃にスイッチして陰に隠れたタイミングで、香が振り返らずにマガジンをサッと差し出したりなど、相棒として機能していく様子もほほえましい。 個人的には“慌てることなく歩きながら銃を打つ”という動きが好みで、そのフェチ心を満たしてくれるシーンばかり。ツボに入ったシーンを全て挙げるとキリがないが、何度でも観返したくなり、1人でこっそり真似したくなる、“中二心”をくすぐるようなシーンの連続だった。
朝ドラと全く違う顔を見せる“香”森田望智
本作におけるガンアクションと並んで特筆すべき点は、キャスティングだろう。漫画やアニメの獠は手足が長く、ガッシリした肩幅が特徴的なビジュアル。ある意味“人間離れ”しているが、そのフォルムに鈴木はしっかりフィットしていた。ルックスだけではなく、獠の下品さも表現されており、アクション映画でありながらも笑えるシーンは多い。映画『HK 変態仮面』やドラマ『下克上球児』(TBS系)など幅広い役を演じていた鈴木だからこそ、いろいろな魅力を持つ獠というキャラを演じられたのだろう。 また、獠の悪ふざけを毎回はじき返す森田の演技もずっと見ていたくなる。現在放送中の朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)では米谷花江というおしとやかでのほほんとしたキャラを演じており、快活な香とはある意味正反対の性格。『虎に翼』で見ている森田との演技の違いに困惑させられるが、そのギャップが心地良い。鈴木同様、森田望智という役者の深みに高ぶりを覚える。