ストックの出荷好調 館山の神戸地区(千葉県)
全国有数のストックの生産地、館山市神戸地区でストックの出荷が好調だ。23日、地区内の農家では出荷作業に追われていた。 ヨーロッパで古くから栽培されていたストック。日本には江戸時代初期に渡来し、大正時代末期には安房地域で、日本最初の切り花生産が始まったといわれている。 同地区では、約20軒の農家が白、黄、紫といった色のストックを栽培。鮮やかな色と甘い香りが特徴で、主に都内の市場をメインに出荷しており、葬儀やブライダル需要で人気となっている。 神戸花卉生産組合ストック部会の鈴木啓之部会長(46)によると、昨年8月から時期をずらして順に種をまき、11月ごろから順次出荷。年末ごろに出荷のピークを迎えた。今年は暖かい日が続いたことから早く花が咲いたり、虫の被害があったりしたが、全体の出荷量には大きな影響はないという。 この日、温室では、鈴木部会長が4つ枝咲きの品種「マリンカルテット」などを1本1本引き抜き、出荷に向けて精を出していた。 出荷は4月中旬ごろまで続く予定で、部会全体で200万本を見込んでおり、鈴木部会長は「甘い香りと鮮やかな色のストックを楽しんでもらえたら」と話していた。 同地区のストックは、今年度のふるさと納税の返礼品にも登録されている。