「提灯まつり」6年ぶり通常開催 神輿渡御が復活 13日から3日間 福島県白河市
福島県白河市の伝統行事「白河提灯(ちょうちん)まつり」は13日から15日までの3日間、市内で催される。新型コロナウイルスの感染拡大を経て通常開催は6年ぶり。従来行われてきた各町による神輿(みこし)渡御が復活する。 市内にある鹿嶋神社の2年に一度の例祭で、日本三大提灯まつりの一つとされる。初日は各町の神輿が同神社に集合し、午後6時30分に先達(愛宕町)が出発する。神輿は阿武隈川を渡り、宮本(桜町)の御旅所に到着する。勇壮な神輿と提灯の明かりが夜の城下町を彩る。 14日は午後5時に九番町を出発。国道294号を通り、再び御旅所を目指す。最終日は午後5時15分に向寺・田町を出発し、宮本を経て鹿嶋神社へ戻る。 期間中の昼間、各町の趣向を凝らした山車が市内を練り歩き、子どもたちがおはやしを披露する。祭りが近づき、各町内で練習に熱がこもる。このうち金屋町では連日、子どもたちが太鼓と笛の軽快なリズムを刻み、日に日に雰囲気が高まっている。
鹿嶋神社の和知延宮司は「6年分の思いを込めて心を一つにし、素晴らしい祭りにしたい」とPRしている。 ■神輿渡御、23町のうち1町が参加断念 人手不足、360年の歴史で初めて 神輿渡御はこれまで市内23町が参加していたが、人手不足などで一つの町が断念した。和知宮司によると、360年の歴史の中で初めてという。「氏子とともに時代に合った祭りの在り方を考え直さなければならない」と話す。 同神社の氏子は旧城下町を中心とした23町となっている。祭りの開催可否は代表者が集う総町参会で決まる。関係者は「苦渋の決断だろう」との認識を示し、「近年は、どの町内も参加人数が減少している。伝統を紡ぐ一手を見つけたい」と前を見据える。 現在は町内に限らず、職場の同僚や知人らが参加する町もある。氏子壮者会は次世代へつなごうと毎年、小学校で出前授業を行っている。和知宮司は「『白河の祭り』として伝統と文化を絶やさないよう協力していきたい」と語った。