警察官に突っ込んできた車両＝１９日午前、東京都渋谷区

　19日午前6時40分ごろ、東京都渋谷区本町の路上で、警視庁代々木署地域課の30代の男性巡査長が、突進してきた車に発砲した。 　車は逃走したが、同庁は約50分後、1キロほど離れた同区幡ケ谷の路上で発見、運転していた男を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕した。男は左脚にけがをしており、病院に搬送されたが命に別条はない。巡査長にけがはないという。 　逮捕されたのは職業不詳、自称田中陸容疑者（21）＝渋谷区幡ケ谷＝。 　代々木署によると、午前6時半ごろ、女性から「知人女性と口論になっている」と110番があった。巡査長が自転車で駆け付けたところ、ワンボックスカーが向かってきたため、「止まれ」と言いながら制止しようとした。 　車はいったん後ろに下がり、向きを変えようとしたが、再度、巡査長に向かってきたため、身の危険を感じ1発発砲した。車は巡査長の自転車にぶつかったという。銃弾は助手席横の窓に当たり、田中容疑者の太ももに命中したとみられる。 　車は午前7時半ごろ、幡ケ谷の路上で発見され、田中容疑者は近くでうずくまっていた。同署は同乗していたとみられる女性や口論していた2人の女性も確保し、任意で事情を聴いている。 　現場は京王線幡ケ谷駅から北西に450メートルほど離れた住宅街。