メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
メルセデスでテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは、気難しい今季マシンW15を「ドライバーの味方」に調整していきたいと語った。 【動画】次世代F1マシンはこうなる! FIAが2026年新規則を公開 現行レギュレーション導入から3年目となる2024年シーズン。苦戦が続くメルセデスは、開幕から表彰台争いに絡むことができないレースが続いたが、カナダGPではジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得して、3位表彰台を獲得。ルイス・ハミルトンも4位に入るなど、充実した週末を過ごした。 この2シーズン半の間、様々なサーキットでよく見られたことだが、カナダGPの舞台となったジル・ビルヌーブ・サーキットは路面が再舗装されたばかりで、メルセデスはスムーズな路面でマシンを走らせることができた。 メルセデスはW15のパフォーマンスアップを目的としたアップデートを投入したが、今後はマシンを“イジメる”ために新パーツを投入していくとアリソンは明かした。 「我々が行なった変更は、このマシンをより良いモノにしているし、どのサーキットに行ってもそうなるはずだ」とアリソンは説明した。 「モントリオールの特性は、これからのレースで我々が発揮する当然の力よりも少し強力だったようだ。(次戦スペインGPが行なわれる)バルセロナで競争力を発揮できる可能性は高いと思うが、上位には食い込めないだろう。ここ数戦のサーキットはマシンにとって少し厳しいテストになるからね。路面は熱く、コーナリングスピードは高い」 「とはいえ、自分たちがこれから何を持ち込むのかも分かっている。マシンをさらに改善するために何を計画しているか理解しているのだ」 「今後数週間、数ヵ月にわたって、ここにいる全員がより良くしようと行なった献身を通じてマシンをいじめ抜き、他がついて来ることができないようなペースでアップデートを続けていくことが我々の課題だ。モントリオールのような週末、あるいは今後どのサーキットでもそれ以上の結果を残せるようにね」 また、現行レギュレーション下でメルセデスが開発したW13、W14、W15の3台を通しての開発課題のひとつは、マシンから最適なパフォーマンスを引き出すセットアップのスイートスポットが狭いということだった。 しかしアリソンは、メルセデスがこの問題を解決しつつあると語った。 「(作動ウインドウは)かなり広がったと思う」とアリソンは言う。 「次のサーキット、バルセロナではコーナリングの種類が実に多岐にわたるから、まだやるべきことはあるというのは分かっている」 「路面温度もかなり高いから、マシンにとってはかなり厳しいテストになる」 カナダGPでメルセデスの調子が上向いた主な要因は、W15に投入された新しいフロントウイングだ。今シーズンの初期型に比べ、よりオーソドックスなデザインになった。 フロントウイングが期待通りに機能したかと訊かれたアリソンは、次のように語った。 「そうだね。前戦のモナコではジョージが走らせたから、どんな挙動になるかは分かっていた。モントリオールでは2台で走って、良いパフォーマンスが期待できた」 「カナダではモナコの時よりも、もう少し成果が出ると期待していた。カナダのサーキットは珍しいとはいえ、モナコよりも普通のサーキットだからね」 「パフォーマンスが向上し、マシンはドライブしやすく、バランスも良く、ドライバーの味方になってくれる。マシンと格闘することなくね」 「それはシーズン序盤、我々にとっての問題点だった」
Ewan Gale
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