【NBA】フリーエージェントのパスカル・シアカムはペイサーズ残留へ、4年総額1億8950万ドルで合意と報じられる
「必要とされていると感じられるのは幸せなこと」
パスカル・シアカムとペイサーズが4年総額1億8950万ドル(約280億円)の新契約に合意したと『ESPN』が報じた。NBAの新たな交渉ルールでは、フリーエージェントとなるか契約延長の対象となる選手は、NBAファイナル終了の翌日から所属チームと先んじて交渉できる。他のチームと交渉できるのは現地6月30日からだ。 シアカムがペイサーズに残るのは2月のトレードが決まった時点での既定路線だった。2016年のNBAドラフト1巡目27位で指名され、8シーズン目を迎えていたラプターズは再建に入っており、シアカムとの契約延長を断念し、彼にマックス額での契約延長を提示でき、ラプターズにも納得のいく見返りを提示できるチームとしてペイサーズへのトレードを決めた。 ペイサーズは1巡目指名権3つにブルース・ブラウンを付けてシアカムを獲得。これだけの代償を払って数カ月でシアカムに去られるわけにはいかない。フロントはシアカムを長くチームに留めるつもりだったし、彼がそれを受け入れるという自信があったからこそトレードに踏み切った。 その目論見は当たった。インシーズン・トーナメント準優勝とシーズン序盤から好調だったペイサーズは、シアカムを加えたことで勢いを増し、47勝を挙げてプレーオフに進出すると、バックスとニックスを撃破してカンファレンスファイナルまで進出。レギュラーシーズンの21.3得点、7.8リバウンド、そしてプレーオフでの21.6得点、7.5リバウンドはいずれもチームトップの数字で、スピーディーで洗練されたペイサーズのチームオフェンスは、手詰まりになった際に個人技で点を取れるシアカムが加わったことで分厚いものとなった。 優勝を目指せるチームではなくなったラプターズから、新進気鋭のペイサーズに活躍の場を移したことは、シアカムにとっても良い移籍だった。シーズンを終えた時、NBAファイナル進出を逃した悔しさを抱えながらも彼は「チームもこの街もバスケを本当に愛している。ここの雰囲気は最高だし、自分が必要とされていると感じられるのは本当に幸せなことだ」と語っていた。 昨夏に5年最大2億6000万ドル(約390億円)の契約延長に応じたタイリース・ハリバートンとともに、シアカムは今後も長くペイサーズを引っ張っていくことになる。