[山口県]下関北九州道路ルート素案決定 旧彦島有料―都市高速8キロ
下関で5月30・31日、6月2日に説明会
山口県は10日、下関市彦島地区と北九州市小倉北区を橋梁(きょうりょう)で結ぶ「下関北九州道路」(下北道路)について、国などと連携して準備してきた具体的な整備箇所を盛り込んだルートの素案が完成し、都市計画の手続きを行う県と北九州市にそれぞれ提出したと発表した。ルートの具体的な内容は明らかにしていないが、下関市の旧彦島有料道路と、北九州市の北九州都市高速道路を結ぶ延長約8キロとみられる。県は5月から6月にかけて下関市内で説明会を開き、地元住民らの意見を聞きながら、都市計画作業を進めていく。 県道路建設課によると、素案は国と山口、福岡の両県、下関、北九州の両市が協力して取りまとめた。都市計画の決定権限を持つ山口県と、政令市の北九州市に対し、詳細な整備箇所を落とし込んだ平面図や縦断図、横断面図などを提出したという。 素案の提出を受け、県は都市計画手続きをスタート。5月30日と6月2日に下関市立彦島公民館(同市彦島江の浦町)、5月31日に同市立勝山公民館(同市秋根南町)で時間を分けて説明会を予定。素案のルートにかかる地権者や事業所の関係者らの意見を聞くことにしている。今後、都市計画原案の公表や県民向け説明会、都市計画審議会での議論などを経て、都市計画を決定。スケジュールは未定だが、同課によると、決定までには数年単位で時間を要する見通しという。 両市間を結ぶ道路には関門橋と関門トンネルがあるが、施設の老朽化に加え、悪天候や事故などで通行止めが頻発。渋滞も発生しやすい区間のため、県などは交流人口の拡大や円滑な物流に支障を来しているとして、国に早期の事業化を求めている。