英ＨＳＢＣが組織再編、初の女性ＣＦＯ指名 東西に事業地域分割
Roushni Nair Lawrence White Sinead Cruise [香港／ロンドン ２２日 ロイター] - 英金融大手ＨＳＢＣホールディングス は２２日、商業銀行と投資銀行業務の一部統合と地理的な拠点の東西分割を含む大規模な組織再編を発表した。 また、最高財務責任者（ＣＦＯ）にパム・カウル氏を起用すると明らかにした。同行初の女性ＣＦＯとなる。 ２０２５年１月から、香港、英国、法人・機関投資家向けバンキング、インターナショナル・ウェルス・アンド・プレミア・バンキングの４つの事業で運営する。 また、アジア太平洋と中東を「イースタンマーケッツ」に、リテール銀行を除く英国、大陸欧州、米州を「ウェスタンマーケッツ」に再編する。 ジョルジュ・エルヘデリー新最高経営責任者（ＣＥＯ）は「新体制により、よりシンプルでダイナミック、かつ機敏な組織になる」と説明した。 ＨＳＢＣの商業銀行部門は１２０万社以上の法人顧客を抱えており、これらの顧客が金融商品を購入すれば利益が大幅に増加する可能性がある。しかし関係筋によると、商業銀行部門の幹部はグローバルバンキング部門による商品の売り込みから顧客を守ろうとしてきた。 今回の再編で香港と英国を除く両部門を統合し、社内の協力を密にしてより多様な商品の販売を目指す。 新たな法人・機関投資家向け部門には、商業銀行業務とグローバル銀行・市場業務の統合ユニットと、欧州と南北米州を含む西側ホールセール銀行業務が置かれる。 ＨＳＢＣは再編によるコスト削減額や雇用への影響については言及していない。２９日に第３・四半期決算を発表する際に、より詳しい情報を明らかにする可能性がある。 ＲＢＣキャピタル・マーケッツのアナリスト、ベン・トムズ氏は「今日の発表はグループ内のさまざまな部分を移動させただけで、全体像には変化はない」との見方を示した。 「ＨＳＢＣが収入への圧力を相殺するためにコスト削減を模索していることを踏まえると、市場が知りたいのはどの部門が次に削減対象になるのか、この再編でどれだけの費用が生じるかだ」と述べた。 ＣＦＯに指名されたカウル氏は現在、ＨＳＢＣの最高リスクコンプライアンス責任者を務める。１３年４月に内部監査のグローバル代表として入社した。 ＨＳＢＣは経営陣の変更も発表した。主要な意思決定機関である執行委員会を１８人から１２人に削減し、グループ運営委員会という名称に変更する。 グローバル・バンキング・アンド・マーケッツ部門のグレッグ・ガイエットＣＥＯが新設された戦略顧客グループ会長に就任する。 社内メモによると、かつてＣＥＯ候補とみられていた欧州部門トップのコリン・ベル氏に加え、中東部門トップのスティーブン・モス氏が退社する。
