竹林亮(監督)×齊藤工(企画・プロデュース)。児童養護施設の日常を記録した「大きな家」予告編公開
齊藤工の企画・プロデュースにより、「14歳の栞」の竹林亮監督が児童養護施設に暮らす子どもたちの日々を追った「大きな家」が、12月6日(金)より渋谷・ホワイトシネクイント、大阪・TOHOシネマズ 梅田、名古屋・センチュリーシネマで先行公開、12月20日(金)より全国で順次公開される。 「大きな家」予告編 主題歌がハンバート ハンバートのオリジナル楽曲『トンネル』に決まり、オーストラリア出身で東京を拠点とするイラストレーターのエイドリアン・ホーガンが手掛けたビジュアル、ならびに予告編が到着した。
〈コメント〉
■竹林亮(監督) この映画は、ある子どもたちのごく普通の日常を記録した物語です。彼らは、様々な理由で自身の親から離れて児童養護施設と呼ばれる場所で日常を送っています。 僕たちは、この映画を、出演してくれた皆のこれからの人生のお守りになるようにと願いながら作りました。彼らがもし、将来生きることに苦労するようなことがあった時に、またこの作品を観て、生きる力を呼び覚ますような存在になってほしい。そう願いながら、共に過ごした時間を記録し、編集をして一本の映画にしました。この映画を観てくださる方々には、これまで知らなかったすぐそこにある日常の中の「普通」の感覚の差分の中に、全ての人々にとって大切なものが隠れているのを目撃していただきたいです。同じ地域に暮らしているが、知っているようで、知らなかった葛藤を映画の主人公である子どもたちや職員の方々と共に感じ取り、感情を共有することで、より深く関心を持つための入り口として果たせる役割があるのではと考えています。 ■齊藤工(企画・プロデュース) 試写が始まり、多くの反響を頂き、偶然から始まった本作が形になる事は必然になりつつあると実感しています。同時に皆様に制作の動機を聞かれる事も多く、この場を借りて改めて簡潔にお伝えさせて頂くと、約4年前に1日限りのイベントのスタッフとして訪れたとある児童養護施設の子が、帰り際に何とも言えない表情で私達大人を見ていました。「貴方もまた、もう二度と来ない大人なんだね」とでも言わんばかりのその目が忘れられず、時折、個人的に施設にお邪魔していました。“質より量”と言う表現は相応しく無いですが、『大きな家』を観てもらえたらわかると思いますが、彼ら彼女らと接するには、“会う回数”がモノを言う気がしました。元々は知らないおじさんである私に、徐々に色々な話をしてくれる子どもたちのこれまでの物語や、施設での日々を、多くの人に知ってもらいたいと願った矢先に竹林監督の『14歳の栞』という、劇場のみでの上映で被写体のプライバシーを守るという誠実な映画に出逢い、本作の企画が始まりました。 ハンバート ハンバートさんが「トンネル」という素晴らしい楽曲で、子どもたちや職員方、そして我々製作陣までも包み込み、光の方へ導いて下さり『大きな家』は完成致しました。 本作は“被写体ファースト”で非商業的な特殊な上映を目指しているのもあり、作品に共鳴して下さった方々のサポートを必要としています。 どうぞお力をお貸し下さい。 ■ハンバート ハンバート(主題歌) 大きな家に暮らす子どもたちや職員の皆さんの表情が、言葉が、余計な意味づけされずにそのまま手渡される。見終わった時には、説明できない気持ちで胸がいっぱいになる。なんだか分からないけど涙があふれてくる。 説明できないところが、この映画の誠実さなのだと思いました。登場する人たちのこんな空気を捉えられるまでには、映画チームのどんなにか丁寧なコミュニケーションがあったのだろうと思います。(佐野遊穂) 依頼をいただき映像を観せてもらい、子どもたちを追うカメラの自然で淡々とした姿勢に感銘を受け快諾しました。どんな曲をと考えていたときに、あの曲がぴったりじゃない?とうちのスタッフから提案されたのが「トンネル」です。映像を観る前に作った曲なのに歌詞やメロディが彼らの姿と重なり、これしかないと思いました。そんなわけで曲が決まり、竹林監督からの要望をアレンジに取り入れ、映画の最後の1ピースとなるべく完成しました。(佐藤良成) 「大きな家」 ©CHOCOLATE 配給:PARCO