桐光学園、花咲徳栄の大型遊撃手、阪神右腕の弟、履正社の147キロ右腕などセンバツを逃した逸材たち
第96回選抜高等学校野球大会の出場32校が決定した。一方で、惜しくも選抜を逃し、補欠校に回った学校が20校ある。この20校の中からドラフト候補として期待できる逸材たちを紹介していきたい。 【動画】24年のドラフト候補紹介
関東の補欠校はいずれも大型遊撃手に注目
関東地区の補欠校になったのは桐光学園(神奈川)、花咲徳栄(埼玉)。この2校は世代上位の遊撃手がいる。桐光学園の森 駿太内野手(2年)に注目だ。186センチ80キロと上背があり、長い手足を活かし、守備範囲が広く、肩も強い。高校通算20本を超える長打力に加え、ベースランニングも軽快だ。 花咲徳栄は石塚 裕惺内野手(2年)の評価が高い。181センチ80キロの大型遊撃手で、昨秋の関東大会では横浜戦で2ラン。2試合で6打数5安打の活躍をみせた。数少ない本塁打が打てる右打ち遊撃手で、今年の高校生野手ではトップ級の評価を受けている。 この2人を目当てに、春季県大会では多くのスカウトが詰めかけるのではないか。 近畿地区の補欠校となった履正社には147キロ右腕の高木 大希投手(2年)がいる。172センチと上背はないが、力強い投球フォームから繰り出す140キロ台の直球は伸びがあり、昨夏の甲子園でも活躍をみせた本格派右腕だ。同じく近畿地区の補欠校となった須磨翔風(兵庫)の槙野 遥斗投手(2年)も最速143キロをマークする本格派右腕。同校ОB・才木 浩人投手(阪神)のような成長が期待されている。
阪神弟の進化に期待 創部100周年の県立岐阜商には逸材が揃う
北信越地区の補欠校となった北陸(福井)、帝京長岡(新潟)にもドラフト候補がいる。 竹田 海士投手(北陸)は、最速148キロを誇る本格派右腕。昨夏の甲子園では慶應義塾戦で先発。敗戦投手となったが、強力打線を恐れず、ストライクゾーンで勝負する投球には伸びしろを感じた。フォームもよく、今年は150キロ到達も期待できる。 茨木 佑太投手(帝京長岡)は、阪神・茨木 秀俊投手の弟。22年10月、兄のドラフト前の取材をした際、隣で投球練習する姿があった。体格もよく、体全体を使って投げ込むストレートは威力があり、当時からスケールのあった投手だった。 この2年で主力選手へ成長。投げては130キロ後半、打者としても、昨秋の北信越大会準々決勝の敦賀気比戦で本塁打を放った。投打ともに能力が高く、一冬超えて、どのくらい化けているか注目だ。 東海地区の補欠校となったのは、県立岐阜商(岐阜)。今年で創部100周年を迎える記念すべき年だったが、昨秋の東海大会準々決勝で敗れ、センバツを逃すことになった。投手では最速146キロ右腕・森 厳徳投手(2年)に注目。安定した投球フォームから力強い速球、切れのあるスライダーをコーナー自在に投げ分ける投手だ。加納 朋季外野手(2年)は182センチの大型外野手として、長打力もあり、強肩も光る逸材。ほかにも大型選手が揃い、この夏の躍進が期待される。 中国地区の補欠校の宇部鴻城(山口)では、松成 乃馳投手(2年)の成長に期待したい。昨夏の甲子園に出場し、花巻東戦では2.1回を投げ無失点の好リリーフ。140キロ前後ながら伸びのあるストレートは見応えがあり、最終学年で145キロ以上の計測も期待できる。 昨年のセンバツ補欠校からは、西武3位の杉山 遥希投手(横浜)、DeNA3位武田 陸玖投手(山形中央)がプロ入り。チームでは、おかやま山陽(岡山)が躍進。夏の甲子園出場を果たし、初の甲子園ベスト8入りを果たした。 今年の補欠校から夏の主役になるような選手、チームが現れるのか、注目していきたい。