『はたらく細胞』キラーT細胞(山本耕史)&NK細胞(仲里依紗)アクション秘話!ベストの演技を生むアプローチ
一方、仲が演じるNK細胞は、命令を必要とせず、自由に戦いに赴く一匹狼。大内は「仲さんもこれまでいろいろなアクションを経験されてきていますが、僕たちが提案するレベルのものに取り組むのは初めてでした。最初に僕が用意したVコンテ(ビデオコンテ)を見せた時も、『本当に私がこれをやるんですか?』という感じで、少し不安を感じていらしたのだと思います」と振り返るが、実際の撮影では、仲の俳優としての凄みを感じたという。
「仲さんは、山本さんのように具体的な提案をいただくというよりは、こちらのイメージを伝えたうえで、カメラを通して彼女の表情やアクションを見るという感じでした。そうすると、こちらの想定を超えるパフォーマンスを自然と見せてくれるんです。あらためて、俳優によって役へのアプローチは全く違うんだなと感じました」
「(アクションの)手を覚えている段階ではわからないのですが、集中してお芝居をのせたアクションを見せた瞬間にガラッと変わるんです。僕らのやりたいイメージを伝えて、仲さんがキャラクターに完全に入り込むと、刀の振り方や表情、動きの一つひとつが本当に自然でベストな形になるという感じでしょうか。シンプルなアクションひとつとっても、仲さんが演じると全く違うものに見えるんです。テクニックの問題ではなく、彼女がキャラクターをそのアクションにのせることで、魅力が倍増する。『もっとこうやったほうがいいですか?』と聞いてくるのではなく、自然にそれを形にしてしまうタイプ。そういう人は本当に珍しいと思いますね」
集団と個人の違いもあり、キラーT細胞とNK細胞は犬猿の仲。しかし、そんな彼らが、全ての細胞の敵となる、ある細胞(Fukase)の脅威を前に、意思を同じくして戦うクライマックスは本作の大きな見せ場。大内も「山本さんと仲さんが、仲間のために共に戦うキラーT細胞と、一匹細胞のNK細胞のキャラクター付けをしてくれたおかげで、二人が白血球のために道を切り開くクライマックスシーンでは、細胞同士の一体感みたいなものが生まれたと思います。観客の皆さんにもそれが伝わればうれしいですね」と自信をのぞかせた。(編集部・入倉功一)
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