二宮和也の役への“憑依”を監督・Pが絶賛 『ブラックペアン』S2に刻まれる“新たな顔”
二宮和也が主演するTBS系日曜劇場『ブラックペアン』が、シーズン2として6年ぶりに帰って来る。 【写真】成長した世良先生(竹内涼真)も! 第1話『ブラックペアン シーズン2』先行カット シーズン1では天才的な手技を持つ外科医・渡海征司郎に扮した二宮だが、今作で演じるのは人も金をももてあそぶ悪魔な世界的天才外科医・天城雪彦。 続編でありながら、同じキャストが別の役を演じるという試みに、伊與田英徳プロデューサーは「二宮さんはお芝居がしっかりしているし、なんでも飄々とこなしてくれると思わせてくれるスター。ですから新しい役も大丈夫だなとは思っていましたが、進めていくうちにすべてがうまくいくわけないよな、というところが出てくるんです」と本音をこぼす。だが、その懸念を一掃したのは、やはり二宮の芝居だったという。 「彼が演じた瞬間に、まったく別人に見えるんですよね。役に入った瞬間の憑依というか、瞬発力というか。それがしっかりできちゃう人なんだなと、改めて感心しました。やっぱり僕らは、渡海にちょっと引きずられるんですよ。過去に少し評価されているので“渡海っぽいポイント”を入れようとするんですが、二宮さんがスパッと断ち切ってくれるので「えええー!?」と(笑)。さすがだなと思いますね」(伊與田) 今回の続編について、二宮は「同じキャストが集まれるなら」という条件のもとに参加を決めた。これについて伊與田プロデューサーは「僕は何も努力していなくて、『やるよ』と言ったらみなさんが自然と集まってくれました(笑)」と振り返る。 「スケジュール的に難しく出演シーンが少なくなってしまった方はいますが、みんな『出たい』と言ってくれる。それは大変ありがたいことですし、二宮さんの求心力と、原作の持っているパワーもあるのではないかと思います」(伊與田) こうして6年ぶりに始動した『ブラックペアン』の現場について、二宮は「いろんな作品でいろんな経験をさせていただいて来ましたけど、『ブラックペアン』と言われると、あの頃の感じが戻ってくるというか。僕は6年前と同じ“やり方”をしているんですが、現場がそれを許してくださる、というのが一番大きいです」と語る。 「僕は現場の空気から出てくるもので勝負したいタイプなので、それを良しとしてくれるスタッフの力と、それに対応してくれる共演者の方たちと接することで、『ブラックペアン』の現場に戻ってきたな、と。むしろ懐かしさすらあったというか、不思議な感覚でした」(二宮) 一方、6年前との違いを感じるところもあるようで、二宮は「共演している人たちと、今日撮るシーンの話をするようになりました」と、シーズン2ならではのやり取りを明かす。 「前室だったり、待っている間に『僕がこうします』『私はこうやります』ということを、役者間でやり取りできるようになったのは、大きな変化かもしれないです。僕もそうだけど、みんなも6年経っているので、いろんな現場を経験している。そういう方たちが『ブラックペアン』の“やり方”で現場を進めてくれるので、僕はやりやすくて好きなんです」(二宮) 今回、シーズン2から新たに演出を担うのは『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』などで知られる西浦正記監督。二宮とは『優しい時間』(2005年)、『拝啓、父上様』(2007年)に続く3度目のタッグとなるが、西浦監督は二宮について「当時の芝居の“引き出し”や“器”と、今はもう全然違う感じがする」と感嘆する。 「『優しい時間』の頃は、まだ20歳を越えたくらい。当時から器用さもあったし、彼の持っている優しさ、柔らかさはすごく伝わって来ていましたが、久々に彼とやり取りをしたり、お芝居を見ていたら、ブラックホールのような器を感じて。正直、最初は少し怖い部分もありましたが、『これはドラえもんの四次元ポケットのような気持ちでいた方がいいなと(笑)。『さあ、何が出てくるんだろう』とワクワクする。きっとそれが視聴者にも伝わってくれるだろうなと思っています』(西浦) さらに、その感覚は「天城の天衣無縫なキャラクター」ともリンクするといい、「渡海の場合は“こういう人なんだ”と安心して見られるところがあったと思いますが、天城は『今度はどんなことをするんだろう』『どんな顔をするんだろう』というワクワク感が楽しめるんじゃないかなと思っています」と続けた。 伊與田プロデューサーが「ニノの魅力が満載だと思いますよ!」と太鼓判を押す『ブラックペアン シーズン2』。スタッフとキャストが二人三脚で臨む、かつてない挑戦で魅せる二宮の“新たな顔”が楽しみだ。
nakamura omame