インド債に外国勢が殺到、他のさまざまな市場に波及-指数組み入れで
(ブルームバーグ): インド国債が主要なグローバル債券指数に採用されたことで、長期にわたりホットマネーの流れから自国を守ることに熱心だったインドのさまざまな市場に既に変化が起きている。
昨年9月のJPモルガン・チェースの指数組み入れ発表以来、外国人投資家は対象となるインドのソブリン債に約7800億ルピー(約1兆4200億円)を投じ、保有を増やし始めている。また、資金流入はさまざま資産に影響を与えており、インドの社債がアウトパフォームしているほか、外貨準備高は過去最高を記録し、ルピーは幅広いドル高の影響を回避している。
ウェルズ・ファーゴのアジア太平洋マクロ戦略責任者チドゥ・ナラヤナン氏は「これは重要なイベントだ。インド国債の指数組み入れは、外国人投資家の参加拡大に道を開くはずだ」と指摘。来年半ばまでにインド債に約250億ドル(約3兆7800億円)が流入し、ルピーを下支えするとの見通しを示した。
大規模な資金流入
ブルームバーグ集計のデータによると、資金流入を受け、指数組み入れ対象のインドのFAR( Fully Accessible Route、完全アクセス可能ルート)国債は今年に入りドルベースでプラス2.76%のリターンを記録している。FARはインド非居住者が国債を購入できる制度。
為替への影響
大規模な資金流入がもたらした結果の一つは、インド準備銀行(中央銀行)による介入の加速だ。インド中銀が流入するドルを買い入れた結果、外貨準備高は過去最高の6425億ドルに増加した。介入は主にルピーを不安定な動きから守ることが目的。
外貨準備は過去最高に増加
資金流入は社債にも恩恵
インド国債の指数組み入れ発表以来、同国の最高格付けの10年物社債利回りは約30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下している。
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原題:Foreigners Flocking to India Bonds Make Splash Across Market (1)(抜粋)