《ブラジル》JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(17) アマゾン料理タカカやマニソバ堪能
2023年8月から、パラー州ベレン市で日本語教育隊員として活動している菊池優衣です。任地のベレン市は、ブラジル北部アマゾン河口に位置する、人口150万人程の大都市です。最初にベレンと聞いて調べたときに赤道直下のどんなに暑い場所に行くことになったのだろう…と心配になりましたが、着いてみると一年を通して高温多湿で雨が多い気候であるものの、日陰や朝晩は涼しく、日本で想像していたよりずっと過ごしやすい街です。そして、たくさんのおいしい郷土料理があり、人もフレンドリーであたたかい人が多いところで、すぐにベレンの魅力に引き込まれました。 少しベレンで出会った食べ物の紹介をさせていただきます。例えば、タカカ(キャッサバの汁から作られた黄色いスープの中にジャンブーという痺れる葉とエビが入っています)やマニソバ(キャッサバの葉を肉と共に7日以上煮込んで作った真っ黒の煮込み料理で見た目に驚きますが大好きになりました)など独特の料理があり、とてもおいしいです。 果物も豊富であり、マンゴー並木の町ベレンと言われるほどマンゴーは手に入りやすく、日本では見たことのなかったクプアスやバクリ、タペレバなどのトロピカルフルーツを味わうことができ、アサイーも名物です。
日系コミュニティがしっかり根付いており、日本文化を伝えるイベントや日本食もたくさんあります。月1回ある日本フェイラに行くと、天ぷらやうどん、餃子、菓子パン…ブラジル風にアレンジされたホッチロール(揚げた寿司)なども売っています。材料がなくてもある食材を使って工夫して作っていらっしゃる料理上手な方が多く、お家に招待していただいたり、おすそ分けで、いなり寿司や酢の物、煮物…などをいただくこともあり、こんなにも日本から離れた遠い土地で懐かしい日本の味が味わえるなんて想像していませんでした。 配属先である越知日伯学園は、日本で素敵な出会いをしてブラジルに嫁いでこられた日系一世の学園長により創設された、幼稚園から中学校と日本語学校を併設して運営する私立学校です。 モンテッソーリ教育法を取り入れ、語学や太鼓、バレエ、空手なども学ぶことができます。授業は午前と午後の2部構成になっており、日本語の授業については、小中学校の通常学級の午前の部では各学年週1コマ、1日コースの午後の部では週2コマ行われています。
【関連記事】
- JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(16)=日本の幼稚園と動画交流で広がる共感=サンパウロ市 川村知里(ちさと) 2024年6月20日
- JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(15)=異なる文化や価値観が共存する世界へ=サンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス市 布目杏奈 2024年6月6日
- JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(14)=他のスポーツになく、日本の「野球」にあるもの=パラナ州ロンドリーナ市 川村渉(かわむら わたる) 2024年5月23日
- JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(13)=名前で呼び合い敬語が少ない日常=サンパウロ州ミランドポリス市第1アリアンサ 赤羽晋治(あかはね しんじ) 2024年5月9日
- JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(12)=指導するより教えられる日々=パラナ州クリチバ市 喜藤大輝(きとうたいき) 2024年4月25日