「彼氏の車が軽自動車でした」は恥ずかしい? なんと女性4割が変わらず支持! 問題解決の本質はどこにあるのか
軽自動車の価値観変化
彼氏の車が軽自動車だと恥ずかしいかどうか――昔からよく議論されている話題だ。車に関する最新情報を発信するウェブサイト『くるまはっく』を運営するアント(東京都渋谷区)が、2024年7月に20代~30代の独身女性1005人を対象に行った「モテる男性の車」に関する調査によると、男性に乗ってほしい車のボディタイプについて質問したところ、「SUV(38.0%)」と回答した人が最も多かった。続いて、反対に、男性に乗ってほしくない車のボディタイプについて質問したところ、「軽自動車(38.8%)」と回答した人が最も多かった。 【画像】「えぇぇぇ!?」 これが衝撃の「調査結果」です! グラフで見る(7枚) 少しネットを覗いてみるだけでも、次のような投稿や記事が見つかる。 ・女性に問いたい。彼氏の車が軽自動車だと、やはり恥ずかしいものですか? 本音を語ってください。 ・彼氏がスズキの軽自動車に乗っているので、別れたいです。 ・ごめん、帰って! 彼氏が迎えに来る車が「恥ずかしい車」6パターン。 ・彼氏の車が軽自動車じゃダメですか? ・彼氏が軽自動車だと恥ずかしい理由。別れたいと思うのは間違いではない? ・20代社会人です。軽自動車が原因で彼女に振られました。 ・男で軽自動車ってダサくない? 何ともひどいいわれようだ。こうした調査結果やネット上の投稿を見ると、「彼氏の車が軽自動車で恥ずかしい」と感じる人が少なくないことがわかる。しかし、この感情の真意とは一体何なのだろうか。 ・日本の車文化の変遷 ・社会が求める価値観の変化 を振り返ると、この感覚がどれほど不自然であるかが理解できる。車はただの移動手段に留まらず、ときに所有者の個性や価値観を表現するものとして捉えられることもある。しかし、現代社会において、それが本当に適切な考え方だろうか。
ステータスを決めた「車の価値」
軽自動車に対する否定的な感情は、社会に深く根付いた価値観や、過去の車文化の影響を色濃く反映しているように思える。次に、その要素を整理してみよう。 ●ステータスシンボルとしての車 車が「富や成功の象徴」として認識されるようになったのは、昭和後期から平成初期にかけての高度経済成長期のことだった。この時代、自家用車の所有は経済的余裕の証であり、高級車の購入は社会的な成功の象徴とされた。この価値観は、今なお一部の人々の中に深く刻み込まれている。軽自動車は「安価で実用的」という性質から、こうした「ステータスシンボル」としての役割を果たしにくいとされている。 ●性別役割分担の影響 特に日本においては、男性が「頼れる存在」であるべきだという固定観念が強く影響している。車がその人の能力や社会的地位を反映するという考えが残っているため、男性が軽自動車に乗っていると「頼りなさ」を連想される場合がある。このような性別に基づく偏見が、軽自動車に対する不当な評価を生み出している。 ●車文化の地域性 地方と都市部では、車に対する価値観が大きく異なる。地方では車が生活必需品であり、高速道路の走行性能や車内空間が重視されるため、軽自動車は「実用的だが二流」と見なされることが少なくない。一方、都市部では駐車スペースの確保や燃費性能が重視され、軽自動車はむしろ合理的な選択肢とされている。この地域差も、偏見を生む一因となっている。