福島で知的財産の成功モデルを 佐藤辰彦さんがデロイトトーマツ弁理士法人会長退任へ
元日本弁理士会長で、デロイトトーマツ弁理士法人会長の佐藤辰彦さん(福島市出身)は31日に会長を退く。佐藤さんは福島民報社のインタビューに答え、引き続き福島で知的財産の成功モデルを築く決意を示した。 ―今後、力を入れることは。 「弁理士登録から50年が過ぎ、77歳になったのを区切りに若手に仕事を任せようと思い、会長を退くと決めた。残りの人生で何をしたいか考えた時に〝知財の伝道者〟として日本を元気にしたい思いは変わらなかった。今後は所長を務める創成知財解析研究所(神奈川県藤沢市)の仕事に軸足を移す」 ―これからの目標は。 「スタートアップ企業の成長を後押ししたい。どれだけいいシーズ(技術の種)を持っていても、他社と比べて自社の強みを説明できなければ事業化は難しく、投資も呼び込めない。知財の活用で、そういった企業の成長を支えていきたい」 ―福島県の産業振興に必要な取り組みは。
「プレーヤー(起業家)が自社の優位性をアピールするのはもちろん、メンター(助言者)が市場化するまでケアをしなければならない。ただ福島県ではまだまだ形になっているとは言えず、心残りだ。古里創生に向け、世の中の役に立つシーズかどうか見極め、知財を活用した成功モデルを築きたい」 ◇ ◇ 佐藤さんのインタビューにはデロイトトーマツ弁理士法人のパートナー・弁理士の酒井俊之さん(伊達市出身)が同席した。