松本城望む会場などで「氷彫フェス」 22日に一斉展示
全国氷彫コンクールを兼ねた「国宝松本城氷彫フェスティバル」が19日から長野県松本市で始まり、市内各所で氷の彫刻「氷彫」制作が進んでいます。22日の早朝から夕刻まで全作品を展示し、3万人の人出を予想。全国や海外からも氷彫アーティストが参加し、インバウンド(来日外国人)の観光客も加えて、国際色豊かなイベントになりそうです。
県内外、海外から18作品・チーム
国宝松本城氷彫フェスティバルは今回で31回目。22日の最終日に展示する同時開催の全国氷彫コンクールには18作品・チームが参加し、前日の21日土曜日の夕刻から22日当日の朝にかけて徹夜で作品を制作。松本城を望む会場などで一斉に展示します。 JR松本駅前や市内の広場など制作が先行した一部会場では、20日に作品がほぼ完成。チェーンソーなどを使って時には大胆に氷を削る作業を市民らが見守り、カメラを向けていました。22日にはコンクール出品作品を中心に合わせて約30作品が展示されます。
制作する氷彫アーティストは北海道をはじめ全国からも集まり、海外勢はアメリカから2人、オーストラリアの日本人1人など多彩。19日から一部で始まっていた氷彫制作では、広場などに長方形の大きな氷が運び込まれ、アーティストたちが道具の点検などを進めていました。
オーストラリアから参加したのは小川健二さん(67)。国宝松本城氷彫フェスティバルに20年にわたり参加してきました。家族と住むシドニーから18日に松本入りし「オーストラリアは気温が40度もあって、本当に暑かった」と、松本の寒さにホッと一息。 今回制作したのは「子供や若者もいずれ年をとるのだから、お年寄りを大切にね」と呼び掛ける作品。老婦人が子どもと向き合って話しかけている姿を彫りました。 小川さんは徳島県出身で、若いころホテルの料理人として世界各地を回り、40年前にオーストラリアに定住。料理の世界大会にオーストラリア代表として出場したことも。あるとき思い立って氷の彫刻に打ち込み、現在は「氷彫刻家(Ice Sculptor)」の肩書の名刺を持ち、活躍しています。