3回裏ドジャース無死、見逃しの三振に倒れる大谷（撮影・菅敏）

＜ナ・リーグ優勝決定シリーズ:ドジャース3－7メッツ＞◇第2戦◇14日（日本時間15日）◇ドジャースタジアム 　【ロサンゼルス（米カリフォルニア州）14日（日本時間15日）＝斎藤庸裕、四竈衛】ドジャース大谷翔平投手（30）が、変則左腕に完敗した。メッツとのリーグ優勝決定シリーズの第2戦に「1番DH」で出場し、3打数無安打。インステップかつ角度ある腕の振りに翻弄（ほんろう）された。今ポストシーズンでは得点圏打率が高い一方で、走者がいない場面では19打数無安打となった。チームは救援陣をつなぐブルペンゲームが機能せず、2番手のランドン・ナック投手（27）が5安打5失点。序盤の大量失点が響き、シリーズ1勝1敗のタイとされた。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　集中力の高い大谷が、ことごとくタイミングを外された。第1打席、カウント2－2から真ん中の速球に振り遅れて三振。2打席目は外角高めの速球を見逃して3球三振。球速は92・6マイル（約149キロ）で、メジャートップクラスのスイングスピードを誇る大谷からすれば、手がでないほどの速さではなかった。3打席目はスライダーに腰が引けた一飛で凡退。手玉にとられ、ロバーツ監督は「マナイアに対して、合っていなかった」と指摘した。 　この日の先発左腕マナイアとは今年4月19日に対戦。1安打を放ったが、当時とは大きく違い、極端なインステップ投法となっていた。ポストシーズン（PS）で打撃好調の8番E・ヘルナンデスは「かなり変わっていた。角度があり、以前より（腕の振りで）横幅を広く使えていた」とコメント。6回途中まで2安打に封じられた。PSで得点圏5打数4安打と勝負強い大谷は、走者がいない場合で19打数無安打。先頭打者アーチを放ったメッツの1番リンドアとは対照的に、勢いを止められた。 　投手陣は2回から登板した右腕ナックが5失点。試合の流れを逸した。同様にブルペンゲームを採用したパ軍との地区シリーズ第4戦では2番手以降も勝ちパターンの投手を惜しみなくつぎ込んだが、この日は違った。シーズン中にマイナーとメジャーを行き来していた若手右腕を2番手で起用。ロバーツ監督は「ナックでアウトを稼ぐ必要があった」と明かした。盤石の左腕ベシアが肋間（ろっかん）筋痛で登録メンバーから外れており、前日に1イニングを抑えた37歳のベテラン右腕ハドソンも起用できない状態だったとはいえ、継投で誤算が生じた。 　采配では2回2死二、三塁からリンドアを敬遠して満塁策をとった。終盤で僅差の展開ならまだしも、序盤の敬遠策は大量失点のリスクが高い。また、3点差に追い上げた7回以降も勝ちパターンの救援陣を投入せず、結果的に5番手の新人右腕エンリケスが9回に1失点。前日から一転、投打に加えて采配もかみ合わなかった。「第3戦に勝つことに集中する」と前を向いたロバーツ監督。1勝1敗のタイで、敵地ニューヨークに乗り込む。 　▼ポストシーズンの7試合制シリーズで現行の2－3－2試合で移動する形式では、1勝1敗となった場合、88回のうちホームでシリーズを開始した49チーム（56％）が勝利している。また、7試合制シリーズで1勝1敗は、3戦目を勝った方が100回中69チームが突破しており、シリーズ勝率は69％となる。 　◆大谷とシティフィールド　通算5試合で19打数5安打、1本塁打、4打点、2盗塁で、打率2割6分3厘。5安打のうち二塁打2、三塁打1、本塁打1と単打は1本だけで長打率は6割3分2厘。5四球もあり、出塁率は4割1分7厘で、OPS（出塁率＋長打率）は1・048で得意としている。今季は5月28、29日の2試合で10打数2安打、1本塁打、3打点、打率2割。同29日は9回に同球場で初となる今季14号3ランを放った。46打席ぶりの1発だった。