森崎ウィンが「ガンダムSEEDシリーズ」を通じて考える“愛”「あえて言わなければ分からないこともある」
「ガンダムSEEDシリーズ」の完全新作が20年ぶりに劇場で観ることができる。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が1月26日(金) に劇場公開となる。 物語の舞台はC.E.75が舞台。独立運動、ブルーコスモスによる侵攻と、戦いが続く中、ラクスを総裁として世界平和監視機構・コンパスが創設された。そんなあるとき、新興国、ファウンデーション王国からブルーコスモスの本拠地への共同作戦が提案される。 【全ての写真】森崎ウィンの撮り下ろしカット 待望の新作。期待が高まるなか、新キャラクターのグリフィン・アルバレスト役の声優として発表されたのが森崎ウィンだ。映画『レディ・プレイヤー1』(2018年公開)にダイトウ/トシロウ役として出演、彼が発した「俺はガンダムで行く」というセリフが話題を呼んだ。 そんな森崎がついにガンダムシリーズに登場。その想いを聞いた。
声だけで全てを表現することの難しさ
――今回、演じられたグリフィン・アルバレストは新たなキャラクターですが、森崎さんご自身はどういった印象を持たれていますか? ファウンデーション王国で活躍する若きエースで、統率力もあって、戦闘能力も非常に高く、自分の芯も強く持ったキャラクターです。自分が生きる意味を分かった上で信念を持って、戦いや日々、行動しているのかな、と僕は感じています。 ――グリフィンを演じるにあたって注意した点や準備した点というのはどういったものになるのでしょうか。 今回のお話が決まった際に、初代のガンダムから観直したんです。どういう世界観だったのか、ということも思い出したくて。 正直、そこから今回の作品に繋がっていることがあったというよりは、ガンダムの世界観に出てくるセリフの言い回しだったりとか、いまの僕らにはなじみがない言葉だったりに耳を慣らしておこう、ということがありました。 『SEED』に辿り着く前に収録には入ってしまったのですが、実際、僕みたいな経験もない人間が現場に行って自分が準備してきたことがどれだけ役に立つのか、という点ではほぼほぼ皆無のように感じられましたね。声だけで全てを表現するということは本当に難しいんです。 絵も100%完成しているわけでもないですし、自分が持ってるものをいろんなパターンでやって、福田監督を筆頭とした制作陣のリクエストに応じながら自分の少ない引き出しの中でやっていく。実写と全く違うので、それだけで精一杯だった、というのが正直な感想です。 実は収録前に「SPY×FAMILY」でロイド役を演じている江口(拓也)さんにお会いする機会があって、「ガンダムSEEDシリーズ」に出演することになったと話したら、一番びっくりしてましたね。「ガンダムやるの!?みんなやりたかったやつだよ」って(笑)。「ウィンくんは多分わかんないだろうから、僕らもそうだけど、とりあえず言われたことに素直に従って、全力投球。それだけ!」ってあの低音ボイスで言われたんです。プロであれだけ第一線でやられている方でも、そういう初心のもとでやっていらっしゃるんだな、って思いましたね。 ――福田己津央監督とはどういったお話をされたんでしょう? 休憩時間にふたりでお話する機会があったんですが、「自分が強く言ってるつもりでも、一生懸命すぎると逆に弱く感じられる」と。 例えば実写だったら、顔の表情や行動だとか、自分の体を動かせるから、表現の幅はもう少し広いんですけど、アニメのように耳だけで聞くとそうなりがちなんだということを言ってくださって。音は人のそれぞれの耳によって聞こえるところは若干違いますし、スピーカーを通してブースの外に聞こえる音はまた違うんですよね。意外と力強く言えば何でもOKというわけでもないんだな、と本当に当たり前のことかもしれないんですけど、それがすごく印象に残ってますね。