岸田首相に涙のねぎらい 地元・広島政界からは「気の毒」の声も
岸田首相は9月末に自民党総裁の任期を終え、退陣する。派閥の裏金問題などで、苦しい政権運営を強いられた3年間。岸田氏を長年支えてきた地元、広島政界の重鎮や財界幹部は、ねぎらいの言葉を贈る。 【写真】岸田首相を支えた地元・広島政界の重鎮 支持率低迷でも手腕を評価 岸田氏の父親の時代から、選挙を支援してきた元県議の林正夫さん（83）は「色んな批判があるけど、評価は後からついてきますよ」と言う。広島県議を9期務め、国会議員にも物言う「重鎮」として知られる。 岸田氏が8月、総裁選への不出馬を表明した際は、直接電話があった。「ご苦労様でした」と口にすると、涙があふれた。この3年間、派閥の裏金問題や世界平和統一家庭連合（旧統一教会）と自民議員の関係などの問題が浮上し、政権は国民の支持を失った。「岸田さんが悪いことをしたわけじゃない。気の毒でね」と思いやる。 広島商工会議所会頭を務めた、広島ガス元社長の深山英樹さん（82）は、前回総裁選で岸田氏への支持を地元経済界に呼びかけた一人。深山さんは「発信力は弱かったけど、口先で言うことはなかった。立派な政治をされたと思う」と振り返った。（山中由睦）
朝日新聞社
