維新市長への問責決議に市議団反対せず…おひざ元の大阪でごたごた絶えず 万博でも逆風
伏見氏が今月24日の議会で人事案の取り下げを表明し、騒動は収束したかにみえたものの、自身2度目の問責決議を受けた伏見氏の政治的ダメージは大きい。問責決議に反対しなかった市議団とのしこりも残る。
ある市議はこう言ってはばからない。「自身の思いで突き進んでも何も得られない。いいかげん理解すべきだ」
■自公とのさや当て激化
先の通常国会での政治資金規正法改正への賛否が衆参で異なるちぐはぐさに、国政政党「日本維新の会」に対する厳しい意見が飛び交う中、拠点の大阪では、次期衆院選を見据えた他党とのさや当てが激化しつつある。旗振りしてきた2025年大阪・関西万博への逆風にも苦しむ。
大阪府東大阪市では、野田義和市長が今年3月に専決処分した給料の2割削減や退職金ゼロに対し市議会は今月、「議会軽視」として大阪維新の会を除く反対多数で「不承認」とした。
野田氏は昨年の市長選でこれまで支援を受けた自民、公明から維新に〝転身〟し5選。裏切られた自公との対立が鮮明だ。
次期衆院選で維新が初めて公明と戦う衆院大阪6区の同府守口市。今月、市議会に社会教育関係団体への補助金に関する事務調査特別委員会が設置された。
議会側に説明なく交付対象が広がった経緯を調べるとしており、公明など維新以外の会派が設置に賛成。瀬野憲一市長は維新首長団の一人だ。
会場整備費の増額などから風当たりが強まる万博でも火の手があがる。元維新府議で、その後維新とたもとを分かった同府交野市の山本景市長は、府の子供招待事業を巡る学校意向調査に関し、調査の選択肢に「希望しない」がないと明かし、参加を強制する「踏み絵だ」と非難している。(矢田幸己)