中村哲さんの人道支援事業、ペシャワール会「全て継続できた」…没後5年を前に灌漑施設完成など報告
アフガニスタンなどで人道支援に取り組んだ医師の中村哲さんが、武装集団の凶弾に倒れて来月4日で5年となるのを前に、福岡市の民間活動団体(NGO)「ペシャワール会」が16日、同市早良区の西南学院大で活動報告会を開いた。 【写真】中村哲さん
中村さんは同会の現地代表を務めていた。報告会では、村上優会長が「中村が取り組んだ事業を全て継続することができた」と5年間を振り返った。中村さんのアイデアを基にした新方式の灌漑施設が今春、アフガニスタンの山岳地帯に完成し、2か所目の施設の工事も進んでいることなどが報告された。
また、1988年にパキスタン北西部ペシャワルに医療派遣された笹川保健財団の喜多悦子会長(85)が講演。当時、現地でハンセン病医療に従事していた中村さんと出会ってからの交流や、その後、ハンセン病医療から離れた中村さんが亡くなる数年前に「現地のハンセン病の実態はわかっていないことが多い」と気にかけていたエピソードなどを紹介した。
同会は、アフガニスタン東部のナンガルハル州政府からハンセン病医療への協力を依頼され、医師や検査技師など小規模チームによる山岳部などへの巡回診療を検討している。