認知症の人の視界をVR機器で体験する受講者ら=2024年10月14日、熊本県芦北町、石嶋俊郎撮影

　認知症の人の思いを理解し、寄り添う気持ちを育もう――。熊本県が主催する「くまもとオレンジフェスタ」が14日と16日に県内で開かれた。地域住民ら計約90人が参加し、VR（バーチャルリアリティー）機器を使って認知症の人の視界を体験。認知症をテーマにした映画も上映された。 　14日は芦北町地域活性化センター（芦北町田浦町）で、朝日新聞社が全国で展開する「認知症フレンドリー講座」を約50人が受講した。VR体験では認知症の人が階段を下りたり、バスに乗ったりするときの不安や戸惑いを実感し、認知症本人のインタビュー映像なども鑑賞した。 　家族3人で訪れたあさぎり町の坂本恵理さん(46)は「認知症の義母がゆっくり動作する理由がわかった。無理をさせないよう心がけたい」と話していた。 　全体の進行役は熊本朝日放送(KAB)の細谷英宣・地域プロモーション局長が務め、県認知症施策・地域ケア推進課の永野千佳課長が「県の認知症サポーター養成率は15年連続日本一。認知症の人と共に生きる社会について考えてみてほしい」とあいさつした。 　16日も山鹿市民交流センター（山鹿市山鹿）で開かれ、約40人が参加した。（石嶋俊郎）