奈良文化財研究所 出土遺物の年輪データをWEBで公開/奈良
奈良文化財研究所は、平城京の発掘調査で見つかった木の遺物の年輪に関するデータをインターネット上で公開しています。 「年輪年代学」とは木の年輪が約1年ごとに1層ずつ形成されることから、年輪の数や幅を調べることで木造文化財がつくられた年代などを研究するものです。今回、奈良文化財研究所が公開したのは平城宮いざない館の建設にあたり2010年12月から行われた発掘調査で出土した井戸枠の板材など18点の遺物に関するものです。これらの遺物は年輪の数や幅を精査したところ西暦342年から775年につくられたと推定できるといいます。今回、インターネット上で公開されるのは、こうした年輪幅の時系列の数値や計測線を示すデジタル画像などあわせて147点にのぼります。奈良文化財研究所ではデジタル技術の発展により公開が可能になったとしていて、年輪年代測定の根拠を示すとともにほかの研究者によるデータの利活用を期待しています。 奈良文化財研究所 年代学研究室長・星野 安治さん 「いろいろな人にデータを利活用していただいて、年輪年代学という分野への参画者が増えていくと良いなと思っています。発展的にとらえるとこういったデータを公開していくことでAIを使ったような深層学習の研究なども進んでいって、年輪の自動計測などが進んでいくと良いなと思っています。」 これらのデータは「奈良文化財研究所リポジトリ」で公開されています。