「困っている人の力に」 富山県内被災地でボランティア活動本格化
富山県内の被災地に6日、3連休の初日とあって県内外から多くの災害ボランティアが集まり、復旧支援活動を本格化させた。高校生や東日本大震災で被災した人、外国人らさまざまな人が参加。「困っている人の力になりたい」と、冷たい雨に打たれながらも被災者を思い懸命に作業した。 高岡市では市社会福祉協議会が4日に災害ボランティアセンターを開設。6日は県内をはじめ福島、徳島など13都県の73人が万葉社会福祉センター(同市二上町)などで受け付けを済ませ、6班に分かれて被害が大きい伏木地区や金屋地区へ向かった。 伏木地区では家屋や道路の損傷に加え、液状化現象で噴出した砂泥が路上や側溝、住居周辺に堆積する被害もあり、ボランティアがスコップで取り除いた。 岩手県花巻市の元高校教員、真下徹さん(61)は、富山大に通う息子のアパートの安全を確認するため来県。無事だったため、そのままボランティア活動に加わった。東日本大震災の被災者でもあり「被災地の苦しみは重々知っている。これまで支えてもらった恩返しにはほど遠いが、できる限りのことをしたい」と一心不乱に作業した。
中には高校生や外国人の姿も。高岡商業高校3年の村上紘崇さん(18)=小矢部市戸久=は「想像していた以上にひどい。困っている人の力になりたい」と陸上競技で鍛えた足腰を生かし、民家の土間に入った泥を掘り起こした。「助け合いに国籍は関係ない」と東京から駆け付けたのは、中国人留学生の張夢卓(ちょうむたく)さん(25)。側溝にたまった泥を黙々と取り除いた。 住民は心強さを感じ、気持ちが幾分和らいだ様子。支援を依頼した伏木駅前自治会の大指洋会長(66)は「町内は高齢化も進んでおり、個人で復旧できるレベルの被害ではないので大助かり。全国から来てくれて本当にありがたい」と感謝した。 氷見市の宇波公民館では、インド出身の英語講師、イマン・ジャベドさん(33)=射水市=が、国際交流団体「アクトグローバリーヒミ」、ひみキトキトこども食堂ネットワークと共に炊き出しを実施。手製のインドカレー100食を住民に振る舞った。
一帯は断水が続き料理や皿洗いが満足にできない状況。住民の40代女性は「毎日同じものを食べていたので本格カレーはありがたい」、50代女性は「温かい食事が身に染みる。感謝しかない」と心身ともに温まった様子だった。 イマンさんは氷見市でも子どもに英語を教えており「お世話になっている氷見の人が困っていて、何かしたいと思った」と話した。