クマ肉を食べた家族が寄生虫に感染。ちゃんと加熱しないとキケン
BBQって楽しいですよね。自慢のレシピで漬け込んだお肉を持ち寄り、みんなで盛り上がるのなんて最高です。 そんな和気藹々な雰囲気を一変させるトンデモお肉を持ってきた人がいるみたい。 そのお肉を食べたうちの6人が寄生虫に感染し、3人が入院することになったんですって。IFLSが伝えました。
珍しい黒っぽいお肉
2022年7月、激しい筋肉の痛みや目周りの腫れ、高熱、免疫細胞の高い反応に苦しむ29歳の男性が、病院に運び込まれてきました。 男性は数日前に開かれたBBQパーティーで、家族の1人がカナダで狩ったクロクマの肉で作ったケバブを食べたとのこと。クロクマの肉は黒っぽかったため、火が通っているのか判断が難しかったそうです。食べている途中で生焼けだと気づき、再調理したものの時すでに遅しだったみたい。 医者は、男性がクロクマの肉を食べたことで、旋毛虫(せんもうちゅう)という寄生虫に感染し、旋毛虫症(トリヒナ症)を引き起こしているのではないかと考えました。
いろんな動物に寄生する寄生虫だった
旋毛虫は決して珍しい寄生虫ではありません。あらゆる動物に寄生するので、ハンティングをする人にとってはおなじみの存在です。 先の男性も、クロクマケバブを持ち寄った家族から、旋毛虫については聞いていたそうです。しかし、冷凍保存していたから寄生虫は死んでいるはずと伝えられていました。 実はこれが大きな間違い。旋毛虫は冷凍しようが乾燥させようがサバイブできてしまうのです。 旋毛虫症の予防策はとにかく加熱。中心部の温度が75℃以上になるまでしっかり熱を通すことが重要なのです。 ちなみに日本でも、ツキノワグマやヒグマの肉を、生に近い状態もしくは刺身にして食べた人たちによる感染が報告されています。抗寄生虫薬を投与することで寄生虫を死滅させられますが、合併症を引き起こすなどすると、死亡する場合もあるので気をつけていただきたいところです。 Source: IFLS
中川真知子