高台の団地から姿を消す路線バス 高齢化が進む住民には急勾配の「地獄坂」が待つ
□ ■ □ 1960~70年代、郊外の丘陵地を切り崩した開発が盛んだった県都鹿児島市は高台の団地が珍しくない。その多くで高齢化が進み、路線バスにも影を落とす。 南国交通の路線は武岡地域の団地から市中心部を経て吉野・吉田方面や、比較的規模が大きい伊敷、緑ケ丘団地を結ぶ。2015年5月と現在の便数を比べると、平日は36%減、土曜38%減。日曜は45%減でほぼ半減している。 市交通局によると、伊敷、緑ケ丘団地を走る24番線の乗客は09年度129万5000人だった。コロナ下の20年度に84万3000人まで落ち込み、回復してきた23年度も106万1000人にとどまる。ドル箱とされる路線さえ09年度比2割減だから、小さな高台の団地の路線は深刻だ。 常安団地(上竜尾町)で鹿児島交通の小型バスが走っていたのは1999年4月から20年間。永吉団地と同じ道をたどった。
南日本新聞 | 鹿児島