【ライブレポート】Base Ball Bear × Galileo Galileiが進化を刻んだ“ドラマチック”な初対バン
8月9日に東京・Spotify O-EASTでライブナタリー主催による対バンライブ「ライブナタリー “Base Ball Bear × Galileo Galilei”」が開催された。 【ライブ写真】真っ赤に染まったステージとBase Ball Bear(ほか全29枚) 2008年に行われた10代限定フェス「閃光ライオット」で初代グランプリを獲得し、プロアーティストの世界に足を踏み入れたGalileo Galilei。当時、審査員を務めていたのがデビュー2年目のBase Ball Bearだった。そんな出会いから16年、2組による初の対バンは情報が解禁されるやいなや大きな反響を呼び、チケットはすぐにソールドアウト。当日の満員のライブハウスには開演前から独特の期待感と熱気が漂っていた。 ■ Galileo Galilei 定刻になり、そろいのユニフォーム姿の尾崎雄貴(Vo, G)、尾崎和樹(Dr)、岩井郁人(G)、岡崎真輝(B)がサポートメンバーのDAIKI(G / BBHF)、Ohkubo Junya(Sax, Flute)とともにステージに登場。和樹の4カウントで始まったのは、Base Ball Bear「ドラマチック」のカバーだ。意表を突く選曲に観客が大きな歓声を上げ、フロアのテンションが急上昇する。テレビアニメ「おおきく振りかぶって」第1期オープニングテーマであるこの曲を、テレビサイズでスタイリッシュに届けた彼らは、そのまま同アニメの第2期オープニングテーマである自分たちの初期曲「夏空」へ。夏の日差しのような強いライトを浴びながら、この季節、そしてこの対バンにぴったりの幕開けを飾り、集まったファンの期待に応えてみせた。 疾走感あふれる「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」を届けたのち、雄貴は「高校生のときから聴いていた憧れのバンドと同じステージに立てて光栄です」と喜びをコメント。さらに8月9日が語呂合わせで“野球の日”であること、Base Ball Bearとの対バンであることから、この日のためにユニフォームを作ったことを明かし「全力投球、フルスイングでやりたいと思います!」とライブへの意気込みを語った。 2016年に活動を終了し、2022年に現体制で再スタートを切ったGalileo Galilei。彼らはライブ中盤から、現体制初のリリース作品となった最新作「Bee and The Whales」の収録曲を中心に、シンセ、サックス、フルートなどを交えた豊かなサウンドで鮮やかに描き出す。跳ねるリズムのミドルチューン「ノーキャスト」では雄貴が演じるように表情豊かに熱唱。コーラスワークが壮大なサウンドスケープを生む「ヘイヘイ」では力強いクラップで場内が心地よい一体感に包まれた。神秘的なムードの「燃える森と氷河」の演奏を終えた雄貴は、Base Ball Bearのライブへの期待を口にする。そして活動終了前ラストにリリースした、サックスの音色が印象的な「Sea and The Darkness II(Totally Black)」をじっくりと聴かせ、Galileo Galileiはステージを終えた。 ■ Base Ball Bear 転換中、緊急地震速報が鳴り響くハプニングが。場内は騒然となったが、運営スタッフが状況の確認を取り、再びアラートが鳴った場合は中断すること、安全を最優先に判断することがアナウンスされたうえでイベントは続行した。 そんな出来事を経て登場したBase Ball Bearは、初期曲「17才」でライブをスタート。スリーピースのシンプルながらエネルギッシュなサウンドで、場内をみるみる明るいムードへ塗り替えた。小出祐介(Vo, G)は「なんと素敵な対バンでしょうか。“懐古厨”の皆さん……」「今日は音楽で“殴り”に来ました」と発言。堀之内大介(Dr, Cho)から「言い方、言い方!」とツッコまれながら「懐かしんでもらうのもうれしいですけど、僕らもGalileo Galileiも自分たちを更新し続けているので。進化をしっかり刻んで素敵な夏の思い出にしていただきたいと思います」と宣言し、大きな拍手を浴びた。 その後、この季節を謳歌するかのごとく「プールサイダー」「真夏の条件」が奏でられる。3人の“闘志”があらわれたようなギラギラとしたサウンドが轟き、関根史織(B, Cho)のアクティブなステージングもフロアを熱く盛り上げた。郷愁漂う「夕日、刺さる部屋」の演奏ののち、3人はGalileo Galileiのライブを回想。サックスやフルートを交えた演奏について「ずるい」「いいなあと思ったね」「練習しようかな」と羨んだ。続いてBase Ball Bearは、Galileo Galileiが結成当時に作った初のオリジナル曲「管制塔」をカバー。初期衝動と瑞々しさの詰まったこの曲を安定感のあるアンサンブルで奏で、両バンドのファンを楽しませた。 エキゾチックなビートの上に、ループするギターが乗せられ始まったのは「Endless Etude」。トランシーなムードが極まったところで次のナンバー「The Cut」へと切り替わる。真横から照明を浴びた小出によるアカペラのラップに歓声が上がり、グルーヴィなサビに突入すると場内がひと際ヒートアップした。ミニマルな編成ながら多彩な姿を見せたBase Ball Bearは、人気曲「LOVE MATHEMATICS」でフロアにこの日一番の熱狂を生み出し、ラストナンバー「BREEEEZE GIRL」の演奏へ。清々しい風を吹かせるように、シンガロングで観客と一体になった。 アンコールでBase Ball Bearは、イベント冒頭のGalileo Galileiのカバーに応えるように「ドラマチック」をフル尺で演奏。2組が初対バンを果たし、熱演を繰り広げた“ドラマチック”なイベントを笑顔で大団円へと導いた。 ■ セットリスト □ 「ライブナタリー “Base Ball Bear × Galileo Galilei”」2024年8月9日 Spotify O-EAST Galileo Galilei 01. ドラマチック(オリジナル:Base Ball Bear) 02. 夏空 03. バナナフィッシュの浜辺と黒い虹 04. ファーザー 05. ノーキャスト 06. ピーターへ愛を込めて 07. 青い栞 08. あそぼ 09. ヘイヘイ 10. 燃える森と氷河 11. Sea and The Darkness II(Totally Black) Base Ball Bear 01. 17才 02. short hair 03. プールサイダー 04. 真夏の条件 05. 夕日、刺さる部屋 06. 管制塔(オリジナル:Galileo Galilei) 07. Endless Etude 08. The Cut 09. LOVE MATHEMATICS 10. BREEEEZE GIRL <アンコール> 11. ドラマチック