<SPY×FAMILY>ヨルの戦いもついに決着、「アーニャのおかげ!!」連発の大活躍から目が離せない!
少年ジャンプ+にて連載中の同名コミックをアニメ化した『SPY×FAMILY』Season 2(毎週土曜夜11:00-11:30ほか、テレビ東京系列ほか/ABEMA・ディズニープラス・Huluほかにて配信)。凄腕スパイの〈黄昏〉ことロイド・フォージャー(CV:江口拓也)が“仮初め”の家族を築き、任務と新生活に奮闘する痛快コメディー。12月2日に放送された「MISSION:34」は、豪華客船内で要人の護衛任務にあたるヨル・フォージャー(CV:早見沙織)らの活躍を描く「豪華客船編」の決着となる「未来を繋ぐ手」。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】大活躍をみせたアーニャ(CV:種崎敦美)のかわいい変装シーン ■アーニャの有能っぷりが炸裂! 暗闇に染まった甲板で、ヨルと刀使い(CV:小松史法)の戦いはより激しさを増していく。一方船内では、保安局員たちの会話から船に爆弾が仕掛けられていることを知ったロイドがアーニャ・フォージャー(CV:種崎敦美)を託児所へ預け、変装して爆弾解除を試みる。そしてアーニャは託児所を早々に抜け出し、ヨルを助けるために船内を走る。心を読む能力を使って敵の情報屋(CV:興津和幸)の声を聴いたアーニャは、声のする方へと向かい、デッキでヨルの武器を発見。上の甲板で戦っているヨルに届けるため、武器を放り投げる。リーチの長い刀使いに対して苦戦を強いられていたヨルだったが、アーニャの投げた武器を見つけると、それを手にして長い激闘に終止符を打つのだった。ヨルの勝利を知ったアーニャは、「ははのしょうり!! アーニャのおかげ!!」と満足気に笑みを浮かべる。 冒頭からアーニャの有能っぷりが炸裂。爆弾が仕掛けられていることを知ったロイドの葛藤を察知したアーニャは、ロイドがひとりで爆弾処理に専念できるよう、自ら進んで託児所へ。かと思えば、すぐに抜け出してヨルの元へと向かい、武器を戦場へと送り届けるなど八面六臂の活躍を見せる。とくに、挿入歌「Until the End」が流れるなか、「アーニャがははをたすけてみせる!!」と「らいじんぐほーぷ」(武器を投げ入れる時に発した技名)を決めるアーニャの姿は可愛くもカッコよく、彼女なりの必死さが炸裂した名シーンとなった。とは言え、アーニャが投げた武器はヨルからはかなり離れたところに落ち、これが偶然にも敵の残党2人をやっつけることに繋がるなど、奇跡を呼び寄せたのがアーニャらしい。船内のレジャー施設やイベントに興奮して、ついつい船旅を満喫してしまっていたアーニャだが、ついに、「ははをたすける」という目的を達成した。 ■まだまだ続く、アーニャの活躍劇 爆弾の処理に成功したロイドだが、船内にはまだ複数の爆弾が仕掛けられている可能性が高く、船員や保安局員による捜索が始まる。そんなおり、偶然すれ違った殺し屋のリーダー格(CV:鳥海浩輔)の心を読んだアーニャは、第8デッキの時計に爆弾が仕掛けられていることを知り、機転をきかせて船員に通達。知らせを聞いて駆けつけたロイドは、爆発まで時間がないことを察し、猛ダッシュで時計ごと海に投げ込み、大事を免れたのだった。このとき、爆弾を仕掛けた張本人である情報屋と、それに気づいて追ってきた殺し屋のリーダー格は船外の小型ボートにいたため爆発に巻き込まれた。甲板でその様子を見ていたアーニャは「ばくはつそしした!! アーニャのおかげ」とご満悦だったが、託児所のお姉さんに見つかってしまい、引きずられながら戻っていくのだった。 後半に入っても、アーニャの大活躍は止まらない。時計に爆弾が仕掛けられていることを知ったアーニャは船員を呼び止め、知らないおじさんが時計に鼻くそを付けていたという話をでっち上げて調査を依頼。見事な機転で爆弾の発見に貢献した。さらにロイドが爆弾を海へと放ったことで、船外にいた敵の残党まで始末したこととなり、本日二度目の奇跡を起こす結果となった。アーニャはこの日、当初の目的以上の功績を二度も生み出したのだ。 ■長編の余韻に浸れるラスト1分15秒 いよいよオルカ・グレッチャー(CV:遠藤綾)とグレイ(CV:寺島惇太)が船を離れる時間となった。オルカはヨルを抱きしめて「本当に、ありがとう」とお礼を言い、最後に赤ん坊をヨルに抱かせる。戦闘後のため手の汚れを気にするヨルだったが、オルカは「その手が、この子の未来を繋いでくれたのよ」と告げる。船を離れていくオルカたちのボートを見つめ続けるヨル。マシュー・マクマホン(CV:堀内賢雄)は「一丁前に感傷に浸るのはおやめなさい」とヨルをたしなめつつ、任務の褒美として休暇を与える。一方、一連の爆弾処理を終えたロイドは、アーニャを迎えに託児所へ。寝ているアーニャを抱きかかえ、部屋へと戻る。長かった1日がようやく終わり、また新たな一日が始まるのだった。 アーニャがミラクルをたくさん起こした1日を締めくくるのは、大人たちのドラマ。仕事に対する信念を新たにしたヨルと、一人の兵隊であることを忘れるなと釘を刺すマシューのやり取りは、ちょっぴりビターで切ない。ロイドもロイドで、託児所で寝ているアーニャを抱きかかえ、「緊急案件とはいえ、結局また家族を放り出してしまったな…」と反省。ロイドのなかでもフォージャー家の存在が大きくなっていることが分かる。さらに圧巻だったのは、本編最後の1分15秒だ。セリフや効果音はなく、ピアノを主体とした優しいBGMのみが流れるなか、静かに夜が明けていく様子が描かれる。アーニャに翻弄され続けたロイド、二度の奇跡を起こしたアーニャ、己と仕事に向き合ったヨル。それぞれの想いをすべて包み込みながら、また新たな朝がやってくるこのシーンは、長編の豪華客船編のラストカットにふさわしい深い味わいを感じさせてくれる。また、唯一の効果音である汽笛の音からエンディング曲へと繋がっていく流れは特に洗練された雰囲気を感じられた。 次回「MISSION:35」は12月9日(土)放送予定。期待して待とう! ※種崎敦美の崎は、正しくは「たつさき」 ■文/岡本大介