ロイヤルホテル、芝パークホテルを子会社化へ 東京でのプレゼンス向上目指す
「リーガロイヤルホテル」を展開するロイヤルホテルの植田文一社長は11日、大阪市内で開いた決算会見に合わせ、東京都内で2ホテルを運営する老舗の芝パークホテル(東京都港区)と資本業務提携契約を結び、11月29日付で子会社化すると発表した。 【写真】ロイヤルホテルの傘下入りが決まった「芝パークホテル」 芝パークホテルの持ち株比率を現状の8・4%から79・1%まで高める。株式の取得額は関連費用も含め、約31億円。 芝パークホテルは外国貿易使節団を迎えるホテルとして、戦後間もない1948年に東京で創業。運営する「芝パークホテル」(同)と「パークホテル東京」(同)は欧米中心に外国人宿泊客が約9割を占める。2023年12月期通期で売上高が前期比約2・4倍の47億円、純利益は3億円の黒字(前期は7億円の赤字)。一方、都内では競合他社の新規出店や人手不足の問題なども顕在化し、中長期的な安定経営を模索するなかで今回の契約に至ったという。 植田社長は「(子会社化で)インバウンド(訪日客)の集客力や東京でのプレゼンスを向上させ、芝パークホテル側にも国内客の販売力向上や西日本エリアからの送客といった相乗効果が見込める」と説明。子会社化を機に12月2日付で傘下ホテルを統括する「インバウンド事業部」も新設し「(課題とする)訪日客の取り込みを強化していく」などと強調した。(田村慶子)