「キチリキキチロウキョウカン」ではなく「ギリギラウ」 台湾の大砲を正しく呼んで…少数民族団体が異例のお願い
プレミア12で注目の台湾選手、吉力吉撈鞏冠
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は21日から4か国によるスーパーラウンドが東京ドームで行われる。台湾代表で注目を集めるのが、米マイナーでプレーしたこともある捕手の吉力吉撈鞏冠だ。日本のテレビ中継では「キチリキキチロウキョウカン」と紹介されたが、これは台湾の少数民族であるパイワン族の民族名。台湾の少数民族団体が20日、日本語でも正しい読みをしてほしいとの異例のメッセージを発した。 【画像】「目が行ってしまう」「存在感すごい」 台湾チア6人を現地でパシャリ ショーパン姿の全身ショット これは「台湾原住民族青年団体による日本のメディア各社への公開書簡」として「原住民族青年陣線」がフェイスブックで公開した。本来、民族名は漢字で正しい音を当てることすら難しいが「できるだけ原音に近いカタカナ表記を参考までにご提供いたします」として、選手の個人名は「ギリギラウ」、選手の個人名の短縮形「ギラウ」、選手の家屋名は「コンクアン」と示されている。発表されたメッセージ全文は以下の通り。 日本のメディア関係者 各位 2024年の世界野球プレミア12の予選が先日終了し、台湾チームが見事予選を突破し、日本でさらに上を目指して戦えることを、とても嬉しく思っております。 台湾チームの中で特に注目を集めているパイワン族出身の選手、giljegiljaw kungkuan(ギリギラウ・コンクアン)の名前について、放送の際に翻訳の問題が発生していることに気づきました。いくつかの日本のメディアの放送では、彼のパイワン族の名前である「giljegiljaw kungkuan」について、漢字表記の「吉力吉撈・鞏冠」をもとに「キチリキキチロウ・キョウカン」と発音されており、パイワン語の発音とは大きく異なっています。 そこで私たちは、できる限りパイワン語の発音に沿った形で彼の名前を放送していただけるよう、心からお願い申し上げます。もしカタカナで表記する必要がある場合でも、パイワン語の原音に基づいて表記し、漢字の読みではなくパイワン語の発音に従うようお願いしたいと思います。 また、口語での呼称についてですが、giljegiljawは彼の個人名であり、kungkuanは家屋の名前です。個人を呼ぶときは、個人名のみを用い、家屋名のみで呼称することはありません。giljegiljawはパイワン族の慣習的な短縮形でgiljawと呼ばれますが、これは親しい友人や家族の間で使われるものであり、正式な放送では使用を控えることをお勧めします。 ここに、できるだけ原音に近いカタカナ表記を参考までにご提供いたします。この世界的に注目されるスポーツ大会を通じて、私たち原住民族の選手とその命名文化が、より正確に理解されることを心から期待し、深く感謝申し上げます。 選手の個人名:giljegiljaw(ギリギラウ) 選手の個人名の短縮形:giljaw(ギラウ) 選手の家屋名:kungkuan(コンクアン)
THE ANSWER編集部