子どもたちのつらい気持ちに“寄り添う”サイト 絵本作家ヨシタケシンスケさんの思いは… 夏休み終わるこの時期、話題に
日テレNEWS NNN
夏休みがそろそろ終わる、または、すでに終わったお子さんもいるかもしれませんが、この時期、自殺が増えると言われています。そんな中、子どもたちの悩みに寄り添うウェブサイトが話題になっています。
多くの子どもたちでにぎわう展覧会。展示されている絵を描いたのは、絵本作家・ヨシタケシンスケさんです。 ベストセラー作家であるヨシタケさん。半年前、あるものを監修しました。 それは、ウェブサイト「かくれてしまえばいいのです」。 子どもの自殺などを防ごうと生まれた、かくれがです。
絵本作家 ヨシタケシンスケさん 「あの世に行くんじゃなくて、1回『その世』ってところに隠れて、気持ちが元に戻ったら、この世に戻ってくればいいんじゃないって提案ができるといいなと思って」 今年の3月にリリースしたこのサイト、アクセス数は1000万回超え。中に入ると、不思議な生き物が、つらい気持ちをおいしそうに食べてくれて、AIロボットも相談にのってくれます。さらに、ゲームができる場所も。
そして、この場所の管理人を務めるのは、むかんけいばあちゃん。 絵本作家 ヨシタケシンスケさん 「大事な人であればあるほど、正直に打ち明けられないから、どんどん追い詰められちゃう。無関係だからね。別に、いてくれりゃいてもいいし、いなくなってもいいしっていう。でも、見放さない」 近すぎず、適度な距離感でいてくれる存在を作りたかったといいます。ばあちゃんの話がきける場所では…。 「あなたには大丈夫になる方法が必ずあるということ」 「世の中には一緒にそれをさがしてくれる人もいるということ」 絵本作家 ヨシタケシンスケさん 「(自分が)しんどさと付き合いながら生きてきた中で、自分なりの解決方法みたいなのが、いくつかたまってきたので、それをばあちゃんの小話にたくさん入れた」 実はヨシタケさん自身、“いきづらさ”を抱えています。
絵本作家 ヨシタケシンスケさん 「何もしたくないから何もできない。何かしなくちゃいけない気がして、つらくてしょうがない。まさにこんな状態がちょいちょいある。一人でいると急にガクッと、しんどい時間になっちゃう。でも人に対してはちゃんといつも通りにできるので、外から見ると何にも変わらないんですけど」 自殺で亡くなった子どもの約4割は、直前まで以前と変わらず登校していたという調査結果もあります。(こども家庭庁の調査による) ヨシタケさんと一緒にサイトを立ち上げたNPO法人の代表は… NPO法人「ライフリンク」 清水康之代表 「周りが、その子どもの自殺の危機に気づいていた割合は非常に低い。明確な自殺のリスクや変化が見えない子どもたちが、多く亡くなっている」 今つらい気持ちを抱えている子どもたちに、ヨシタケさんが一枚の絵を描いてくれました。
絵本作家 ヨシタケシンスケさん 「宿題だったり、最悪やってなくてもいいので、おいしいものを食べる状態でいてください。死にたい気持ちになっちゃった自分を、責める必要はないって言いたかった」