なぜ山本に「総額2億ドル」もの超大型契約が予測されるのか。「実力」に次ぐ2つの要素とは?<SLUGGER>
オリックスからポスティングでのメジャー挑戦を表明した山本由伸が、かなり高い評価を受けている。移籍情報サイト『MLBトレード・ルーマーズ』のFA選手ランキングでは、並みいる大物を抑えて3位にランクイン。『ESPN』のランキングでは大谷翔平に次ぐ2位で、契約予想額もそれぞれ9年2億2500万ドル、7年2億1200万ドルと破格の値段になっている。 同じように日本のトップ投手として2012年に渡米したダルビッシュ有(現パドレス)に対してレンジャーズが費やした金額は、ポスティング料を含めても総額約1億1000万ドル(契約自体は6年5600万ドル)。14年の田中将大(現楽天)にヤンキースが支払ったのが総額1億7500万ドル(契約は7年1億5500万ドル)だったことを考えても、かなり高く評価されていることが分かる。 ちなみに、今季のサイ・ヤング賞受賞が有力と言われるブレイク・スネルでも、『トレード・ルーマーズ』の予想は7年2億ドル。まだメジャーで1球も投げていない山本が、サイ・ヤング賞投手と同等以上の契約を獲得すると目されているのだ。 一体、山本はなぜこれほどまでに高く評価されているのだろうか? 何といっても最大の理由は25歳という若さにある。そもそも、FA市場に出る一線級の先発投手は若くても28、29歳で、この年齢でMLBのFA市場に出ることは異例中の異例。また、大物であればあるほど契約期間も長くなるが、投手の場合は年齢を重ねると故障や衰えのリスクが高まる。そう考えると、FA市場における大物先発投手はかなりの「地雷物件」ということもできる。実際、スネルが7年契約を得た場合、満了する頃には37歳になっている。契約期間の半分は全盛期を過ぎた状態になる可能性も十分あるのだ。 これに対して、山本の7年契約は26~32歳の間で、まさに全盛期を丸ごとカバーできる。故障のリスクも比較的低く、不良債権化する可能性はスネルよりも明らかに低い。これなら大枚をはたく価値がある、と各球団のGMが考えても不思議はない。
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