客単価は一人あたり2万円以上…!安倍派後見人・森喜朗元首相が「超高級ホテルで会食」写真
1月12日の金曜日。都内一等地にある超高級ホテルの正面玄関前に黒塗りのセダンが滑り込んだのは、18時を回った頃だった。 【写真をみる】すごい…!夜な夜な 車イスで"超高級ホテル"のディナーに向かう「森喜朗元首相」 運転手がトランクから車イスを取り出し、手際よくセッティングを済ませると、後部座席のドアが開いた。中から姿を見せたのは、淡いブルーのジャケットにチノパンというラフな格好をした森喜朗元首相(86)である。森氏は同乗していた2人の女性らに見守られながら、ゆっくりと車イスに腰かけると、深々と頭を下げたドアマンたちを横目に建物内へと進んでいった。 一行が向かったのは、ホテルにある日本料理店の個室。歴代首相や国会議員御用達の高級店である。和食懐石やしゃぶしゃぶなどをメニューに揃え、客単価は一人あたり2万円以上といったところだ。 森氏といえば、自民党最大派閥である清和政策研究会(安倍派)の第4代会長を務め、政界引退後の今もなお安倍派の後見人として、派閥内で絶大な影響力を持っていることは周知の通りである。 「政治資金パーティーを巡る裏金事件で、特捜部が森氏の関与にどこまで迫れるか注目されていた」(全国紙政治部記者) ところがまさにこの日、安倍派が所属議員の政治資金収支報告書を訂正する検討を始めたとの報道が出始め、「特捜部の捜査の雲行きが怪しくなってきた」と話す永田町関係者もいた。事実、翌13日には、特捜部が安倍派の歴代事務総長など、幹部議員の立件を断念する方向で調整しているとのニュースが流れている。 「特捜部の決断について、12日の時点で、森氏の耳にも情報が入っていた可能性は大いにある」(同前) もし森氏が特捜部の動きを察知していたとすれば、ホテルでのディナーは、さぞ美味だったに違いない。 森氏らが店を後にしたのは約3時間後の21時過ぎ。ドアマンに見送られながら、森氏を乗せた送迎車は、彼が暮らす都内の老人ホームに向かった。 「森さんが住む老人ホームは、高い部屋だと入居金だけで約2億2000万円。夫婦2人で入居した場合、費用が月額60万円以上もかかるというハイグレードな施設。館内にはバーやシミュレーションゴルフ室もあるそうです。森さんは入居後も元気な様子で、夜は会食によく出かけています」(永田町関係者) そして1月16日。ついに特捜部が動いた。政治資金規正法違反容疑で告発されていた松野博一前官房長官(61)、西村康稔前経産相(61)、萩生田光一前党政調会長(60)ら安倍派の幹部7人を不起訴とする方針を固めたのである。 「ただ、これで終わったわけではない。先日、神戸学院大の上脇博之(かみわきひろし)教授が、森氏や安倍派幹部12人の告発状を東京地検に送付したばかり。この問題は暫く続くことになる」(全国紙政治部デスク) 森氏や安倍派議員の今後について、ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう話す。 「五人衆のある議員は『(捜査が)山を越えてよかった……。緊張の毎日から解放された』と言っているそうです。ただし、彼らは岸田政権ではもう復権はないとみられます。そもそも選挙自体が厳しくなり、小選挙区で負けるようなことも起きかねない。一方、いまだカネとポストを差配できる森さんの影響力は、当面は変わらないでしょう」 安倍派幹部7人の不起訴について話を聞こうと森氏の携帯電話を鳴らしたところ、ドスを利かせた声でこう答えた。 「一切取材にはお答えしておりません。だいたい電話で失礼でしょ!」 東京五輪を巡る一連の汚職事件では、捜査線上に名前が浮上していると報じられたが、責任を問われることはなかった。森氏は今回も逃げ切るのか――。 『FRIDAY』2024年2月2・9日号より 取材・文:甚野博則(ノンフィクションライター)
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