『ビートルジュース ビートルジュース』北米No.1 ジェナ・オルテガ人気が後押し
A24配給のサイコホラー『The Front Room』が興行的失敗
今週は『ビートルジュース ビートルジュース』以外に目立った新作がなかったため、週末ランキングの2位以下は軒並み週末興収1000万ドル以下という寂しい結果となった。第2位は公開7週目の『デッドプール&ウルヴァリン』だが、それ以下は作品ごとの金額差が小さく、トップ10の入れ替わりも激しい。 注目は公開2週目でベスト3に食い込んだ、ロナルド・レーガン元大統領の伝記映画『Reagan(原題)』。前週比マイナス31.6%という驚異的な粘り強さで週末興収523万ドルを記録し、公開4週目の『エイリアン:ロムルス』を上回った。白人・高年齢層の観客に対する訴求力が高く、Rotten Tomatoesでは観客スコア98%という支持を獲得。批評家の評価は低いが、口コミには大きな影響を及ぼさなかったのだろう。本稿では先週、「ランキング上位にとどまることは難しいとしても」と記したが、この予想は大外れだった。 ちなみに第10位には、A24が北米配給を担当したサイコホラー『The Front Room(原題)』が初登場。しかしながら、2095館という上映規模に対して週末興収は166万ドルという厳しい滑り出しとなった。Rotten Tomatoesのスコアも批評家51%・観客37%と、興行・評価の両面で渋い結果だ。もはや言うまでもないことだが、「A24製作だから」「A24が配給権を獲得したから」良い作品、良い結果になることはない。こうした根拠のない信仰(といってよいだろう)は、北米ではさほど効果をもたなくなったが、日本ではいまだ有効性を維持しているように思われる。実情が適切に伝えられることを望むばかりだ。 ■北米映画興行ランキング(9月6日~9月8日) 1.『ビートルジュース ビートルジュース』(初登場) 1億1000万ドル/4575館/累計1億1000万ドル/1週/ワーナー 2.『デッドプール&ウルヴァリン』(↓前週1位) 720万ドル(-53.5%)/3400館(-230館)/累計6億1403万ドル/7週/ディズニー 3.『Reagan(原題)』(↑前週4位) 523万ドル(-31.6%)/2770館(+16館)/累計1853万ドル/2週/Showbiz Direct 4.『エイリアン:ロムルス』(↓前週2位) 391万ドル(-57.7%)/2560館(-560館)/累計9719万ドル/4週/20世紀スタジオ 5.『It Ends with Us(原題)』(→前週5位) 375万ドル(-49.4%)/2850館(-701館)/累計1億4136万ドル/5週/ソニー 6.『The Forge(原題)』(↑前週7位) 293万ドル(-36.4%)/1710館(-211館)/累計2075万ドル/3週/Affirm Films 7.『ツイスターズ』(↓前週3位) 225万ドル(-70.9%)/2252館(-753館)/累計2億6460万ドル/8週/ユニバーサル 8.『Blink Twice(原題)』(↓前週6位) 211万ドル(-56%)/1806館(-1261館)/累計2029万ドル/3週/Amazon・MGM 9.『怪盗グルーのミニオン超変身』(↓前週8位) 180万ドル(-56.4%)/1919館(-779館)/累計3億5787万ドル/10週/ユニバーサル 10.『The Front Room(原題)』(初登場) 166万ドル/2095館/累計166万ドル/1週/A24 (※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2024年9月9日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります) 参照 https://www.boxofficemojo.com/weekend/2024W36/ https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/beetlejuice-beetlejuice-box-office-opening-1235994410/ https://variety.com/2024/film/box-office/beetlejuice-beetlejuice-opening-weekend-box-office-1236136687/
稲垣貴俊