櫻井翔“清家”に一番影響を与えたのは玉山鉄二“鈴木”ではなく元恋人・田辺桃子“美恵子”なのか<笑うマトリョーシカ>
水川あさみが主演を務める金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第2話「深まる疑惑…事故と元恋人の秘密」が7月5日に放送された。同ドラマは、日本推理作家協会賞や山本周五郎賞など数々の受賞歴を持つ早見和真が2021年に発表した同名小説が原作。抜群の人気を誇る若き政治家と有能な秘書の“得体の知れない不気味さ”に気付いた新聞記者が、彼らを取り巻く黒い闇に迫るヒューマン政治サスペンス。 【写真】水川あさみ“道上”は新たな“事実”にたどり着く 第2話で、道上香苗(水川)は父・兼高(渡辺いっけい)が亡くなった事故は清家一郎(櫻井翔)の秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二)が仕組んだものではないかと疑うが、新たな事故が起こり、もう一人、別の重要人物の存在が明らかになった。(以下、ネタバレを含みます) ■人間の欲望と謎が絡み合うヒューマン政治サスペンス 印象的な笑顔とリベラルな言動で人気を集め、未来の総理候補との呼び声も高い若き政治家・清家一郎(櫻井翔)と、そんな彼を支える有能な秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二)は、どちらも非の打ち所がなく完璧に見える。「でも、この2人…何かがおかしい」。そんな2人の奇妙な関係を暴こうと、新聞記者である道上(水川)は、彼らの隠された過去を探っていく。 また、道上の社会部時代の先輩記者・山中尊志を丸山智己、道上の後輩記者・青山直樹を曽田陵介、道上の元夫・旗手健太郎を和田正人が演じる他、謎の女役として高岡早紀が出演。 さらに、清家と鈴木の福音学園時代の同級生・佐々木光一を渡辺大、大手新聞社社会部の敏腕記者だった経歴を持つ道上の父・兼高を渡辺いっけい、清家の実父で、官房長官を務めた経験もある有力代議士・和田島芳孝を加藤雅也、明るく前向きで肝がすわっている道上の母・香織を筒井真理子が演じるなど、個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。 ■清家がかつて私設秘書を務めていた代議士も交通事故で亡くなっていた 道上の父・兼高は「BG株事件」の真相を追っていた。清家(櫻井)の秘書・鈴木(玉山)が亡くなったBG社・宇野社長の息子だと分かった兼高は、鈴木と会う約束をしていた場所で亡くなった。これを鈴木が仕組んだものではないかと疑う道上は、鈴木と清家に接近。 かつて清家が私設秘書を務めていた代議士・武智(小木茂光)が交通事故で命を落とし、その地盤を引き継ぐ形で清家が27歳の時に初当選したことを、清家の自叙伝「悲願」で知ると、“交通事故”というところに引っかかり、その武智の事故も鈴木によるものではないかとますます疑念を深めた。 ■鈴木が交通事故に遭ったことで道上は振り出しに戻ることに 後輩の青山(曽田)が「手伝わせてください」と協力を申し出てきたので、鈴木の行動を追うことをお願いし、道上は清家を呼び出して父の死と武智の死に共通点が多いことを話し、「鈴木秘書官の周りで二度も同じ事故が起こって、人が亡くなっている」と鈴木が怪しいとストーレートに伝えた。 「清家さん、彼は危険です。知っていることを話してください」と、道上が清家に頭を下げた時、鈴木が交通事故に遭って病院に運ばれたという連絡が清家に入った。その事故に、後輩の青山も巻き込まれていた。青山は軽傷で入院せずに済んだが、鈴木は入院することに。 交通事故を仕組んだと思っていた鈴木が事故に遭ったことで、道上は自分の推測が間違っていたと深く反省。振り出しに戻ることに。 ■清家の大学時代の論文がきっかけで見えてきた別の重要人物 道上のところに送られてきた「ナチズムにおける権力の二重構造について エリック・ヤン・ハヌッセンに関する考察」と題した清家が大学時代に書いたと思われる論文。自叙伝「悲願」と文体があまりにも違うことから、逆に、この論文は清家自身のものだと道上は判断した。その理由は、「悲願」の文章は、鈴木が手を入れて“完璧”な状態に修正したと考えているから。 もう一つ、大学時代の恋人・美恵子(田辺桃子)に関して書いた部分は、他とは違い、論文の文体に近く、この部分だけは清家自身が書いた内容のままではないかということも同時に推測。 大学時代の教授に話を聞くと、道上のところに送られてきた論文は卒論ではなく、3年生の時の課題として提出した論文だということが分かった。その論文ではヒトラーのブレイン的存在だったハヌッセンを肯定する内容だったが、卒論では一転してハヌッセンを批判していることも。 教授が「2つの論文の間に考えが変わる何かがあったのかもしれませんね」と話すのを聞いて、道上は清家が大学3年の時に出会って付き合うようになった美恵子が影響を与えたのではないかと思い至った。そして教授も同じ意見だった。 美恵子が清家と話した中で、ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリクス、バスキアといった天才アーティストが亡くなったのが「27歳」で、当時21歳の美恵子は同い年の清家に「あと6年しかない」と焦燥感をあおり、言葉の強さで清家の背中を押した。そして、清家が初当選したのが「27歳」。 ハヌッセンは43歳の時に暗殺された。今回、交通事故に遭って入院した鈴木は「43歳」。こっちの符号も一致。清家の後ろでひもを操るのは鈴木ではなく、美恵子なのではないか。道上が気付いたのと同じ頃、鈴木も病室でそのことに気付き、美恵子に初めて会った時のことを思い返していた。 ■逆鱗に触れたのか、清家が道上の取材を拒否 道上は美恵子のことについて清家に直接聞いてみようと思ったが、清家の政策秘書から「今後、取材はお受けしないことにした」という突き放すような連絡を受けた。「鈴木」ではなく「美恵子」のことを探り始めたことが清家にバレて、距離を置かれるようになったのだろうか。マトリョーシカを無言で見つめる清家の表情に浮かんでいる感情は、悲しみだろうか。あるいは怒りだろうか。その真意が気になるところ。 SNSにも「見れば見るほど本当の清家さんが分からなくなる」「清家の大学時代の恋人が気になります」「第2話で鈴木のイメージがガラッと変わった」と、美恵子の出現と急展開に戸惑っている視聴者の感想が多く見られた。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部 ※兼高の高は正しくは「はしご高」