開票所で記者が「バードウォッチング」 双眼鏡で投票用紙を確認、開票中でも「当確」と報じる舞台裏
開票中のトラブルはつきもの
どうしてメディアはそんなに急いで当打ちをしなければならないのか。 それは開票終了が早くても深夜、場合によっては翌日未明にずれ込んでしまうためだ。開票終了を待っていると新聞は翌日の朝刊の締め切りに間に合わないし、テレビは夜のニュースで伝えるのが難しくなる。そこで、取材資源を投じて当打ちにいそしんでいる。 しかし、さまざまな準備をしても、当日にトラブルはつきものだ。各地の選管も入念な準備をしているが、ミスが起きることがある。 投票用紙の束がまるごと行方不明になる、ある政党への投票を別の政党への投票としてカウントする……。これまでの選挙で実際にあった間違いだ。このため職員が会場をしらみつぶしに捜したり、一度集計した投票用紙を数え直したりし、開票が何時間もストップしてしまうこともある。 開票が進まないと、接戦区では当打ちが難しくなる。開票トラブルがなければ全議席の当打ちを翌日の新聞に掲載できたのに、トラブルによって一部の選挙区の結果を伝えられなかった――。そうした悔しい経験を持つ記者も少なくない。 日本の行く末を占う総選挙まであと1日。全465議席(小選挙区289、比例代表176)は28日に確定する見通しだ。【小林慎】
※この記事は、毎日新聞とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。