音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズ氏が死去、91歳
アメリカの著名な音楽プロデューサーでミュージシャンのクインシー・ジョーンズ氏が3日、亡くなった。91歳だった。 ジョーンズ氏は生前、マイケル・ジャクソン氏、フランク・シナトラ氏、レイ・チャールズ氏など名だたるミュージシャンと協業。特に、ジャクソン氏のアルバム「スリラー」を手掛けたことで知られている。 ジョーンズ氏の広報担当アーノルド・ロビンソン氏によると、ジョーンズ氏は3日夜、カリフォルニア州ロサンゼルスの自宅で亡くなった。 ジョーンズ氏の家族は声明で、「今夜、私たちは張り裂けそうな思いで、父で兄弟のクインシー・ジョーンズについて、訃報を皆さんに伝えなくてはならない」と述べた。 「私たち家族にとって信じられないほどの大きな損失だが、彼が歩んできた素晴らしい人生を祝福している。彼のような人物は2度と現れない」と家族は話している。 75年以上にわたるキャリアの中で、ジョーンズ氏はグラミー賞を28回受賞。雑誌タイムによる「最も影響力のある20世紀のジャズミュージシャン」にも選ばれている。 シナトラ氏と親しく仕事をし、バラードのクラシック「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」をワルツからスイングに作り変えた。 ジャクソン氏とは映画「ウィズ」で共演。その後、プロデューサーとしてアルバム「オフ・ザ・ウォール」、「スリラー」「バッド」に携わった。「スリラー」はアメリカだけで3400万枚を売り上げている。 1985年にはアメリカのポップスター46人を集め、飢餓に襲われたエチオピアの支援を目的とした「ウィ・アー・ザ・ワールド」を共同作曲・プロデュースした。この曲はアメリカやイギリスのチャートで1位となった。 同年7月にロンドン郊外のウェンブリー・スタジアムと米フィラデルフィアのジョン・F・ケネディ・スタジアムで同時開催された、大規模なチャリティーコンサート「ライブエイド」でも、「ウィ・アー・ザ・ワールド」は披露された。 ジョーンズ氏はこのほか、50作品以上の映画やテレビ番組に楽曲を提供した。 私生活では3度結婚し、7人の子供がいる。 ジョーンズ氏が楽曲を手掛けた1969年の映画「ミニミニ大作戦」に主演した英俳優マイケル・ケイン氏はインスタグラムで、ジョーンズ氏は「音楽界の巨人」だったと振り返った。 「彼は素晴らしい、そしてユニークな人間だった。知り合うことができて幸運だった」 英歌手サー・エルトン・ジョンも、「彼ほど素晴らしいキャリアを築いた人物はいない」と述べ、「彼は最高のアーティストたちと共演し、最高の作品を生み出した。なんて素晴らしい人だろうか。大好きな人だった」と追悼した。 1985年の映画「カラーパープル」で名声を得た米俳優ウーピー・ゴールドバーグは、ジョーンズ氏は「唯一無二」の人だったと語った。 (英語記事 Quincy Jones, giant of US music, dies aged 91)
(c) BBC News