「光る君へ」三浦翔平が自ら提案したシーン 第18回は「伊周が崩れていく序章」
怒りを爆発させた伊周は定子のもとに乗り込むと「帝のご寵愛は偽りであったのだな。年下の帝のお心なぞどのようにでもできるという顔をしておきながら何もできていないではないか!」と責め、「わたしは内覧を取り上げられたうえに内大臣のままだ!」と屈辱をぶちまけ、定子の顔を凝視しながら「こうなったらもう中宮様のお役目は皇子を産むだけだ」「皇子を…産めっ!」と凄まじい勢いで迫った。前話でも道隆が定子に皇子を産めと迫るシーンがあったが、三浦はこのシーンを受けて演出にある提案をしたという。
「やはり道隆がいなければこうなっていないし、自分の一番信頼する人間であり父であり、進むべき指針を示してくれた人なので、「父のようになりたい」「父を超えたい」「父に喜んでもらいたい」という憧れの存在でもあるし、愛してくれる父親ですし、たださっきの(定子に「皇子を産め」と詰め寄る)シーンでは始まる前に道隆の「皇子を産め」というシーンがあるんですけど、そこを見せてもらってそこをリンクさせたいなという思いがあったので監督と話して「道隆が乗り移っているかのようなシーンにしてほしいです」とお願いをして撮りました」
一方、一条天皇に対しては思惑もありつつ、複雑な思いがあると話す。「定子、妹とくっついてそこでうまくいけば政治を乗っ取れると思っている野望もあるんですけれど、気持ち的にはやっぱり非常に仲のいい弟のような存在でもあり、ちゃんとした場所では天皇として敬い、周りがいないときには非常に仲の良いシーンもあるので、近しい存在ではあるはずなんですよ。だからこそさっきのシーンで「信頼していたのにそっちなの?」っていう気持ちでもあると思うんですよね」
大河ドラマへの出演は本作が初となる三浦。これまでは道兼がいわゆる“問題児”のポジションを担っていたが、そのバトンは伊周へと引き継がれることとなりそうだ。三浦自身「優雅で美しい伊周が崩れていく序章」と語っているとおり、今後の変貌に期待が高まる。(編集部・石井百合子)