八甲田にある地獄沼周辺でけさ80歳代の女性がクマに襲われ死亡しました。被害の発生を受けて県はツキノワグマ出没警報を発表しました。 ★青森放送　成田栞寿 「クマが目撃された現場近くでは大勢の消防隊員や警察官が集まり緊迫感が漂っています」 警察によりますとクマに襲われ亡くなったのはむつ市在住の80歳代の女性です。きょう午前9時前青森市の地獄沼周辺で「女性がクマに襲われた」と一緒にタケノコ採りに入った男性から119番通報がありました。クマは体長1.5メートルほどで、男性が通報後再び襲ってきたため持っていたカマで追い払って逃げたということです。女性の周辺にまだクマがいる可能性があるため救助は難航しました。 ★猟友会の人 「クマってね自分の獲物にものすごく執着心があるから本来であれば人を襲ったら普通は逃げるんだけど倒れているから（クマが）残っている可能性があるからわれわれも銃をもって警察と消防と一緒に入るということです」 正午すぎ警察や消防と猟友会などが20人体制で入山し、クマを追い払うため発砲しながら女性の救助に向かいました。救助隊が向かったのは国道103号から北東側。うっそうと木々が生い茂っている場所でした。 ★青森放送　鮫島大史 「足下を確認しながら山から下りてきました　救急車へと搬送されようというところです」 女性はドクターヘリで病院に運ばれましたがおよそ2時間後に死亡が確認されました。死因は多発性外傷でした。 ★現場に入った猟友会 「クマそばにいました、女性のそばに　われわれ追い払いましたけども」 クマの被害をうけて別の登山客は… ★広島から来た登山客は 「下山して初めて聞きました」「びっくりしました」「山菜採りの方が襲われたと放送があったのですが恐怖感がありますね」「広島から青森まで遠いのでせっかくの機会なのであしたは岩木山登る計画しているのですが様子を見ながら検討したいと思います」 八甲田では今月21日女性が体長1メートルほどのクマに襲われて大けがをする被害がありました。また、その翌日には地獄湯の沢南側の山林で女性がクマに追いかけられ荷物のなかの「おにぎり」を食われる被害もあるなど八甲田周辺でクマの出没が相次いでいます。 相次ぐ被害に専門家は…。 ★森林総合研究所　大西尚樹 動物生態遺伝チーム長 「これだけの短い期間で近い範囲で事故が起きている　また状況も似ているということから同一の個体による事故なのかなというふうに思います　明らかに人を狙って襲っている」 同一の個体である可能性が高いと指摘。その上で八甲田山系に潜むクマの習性に変化があると言います。 ★大西尚樹 動物生態遺伝チーム長 「クマは基本的に人と接することを嫌っていて　人を避けるように生活をしているのですが、この個体に関しては人を避けるどころか人を襲う対象として認識してしまっているかなと思います」 「とにかくこの個体が駆除されたということが確認出来るまではこの地域には入らない　近くに温泉宿はありますのでそういった所に行くにはもちろん問題ないのですが屋外での活動、山菜採り、登山、釣り、こういった活動に関しては個人で複数でもそうなのですが入ることはやめて頂きたい」 クマ被害を受け酸ヶ湯温泉では200人以上いる宿泊客にきょうとあす、山へ出歩くことを自粛するよう呼びかけました。 ★酸ヶ湯温泉宿泊サービス部　畑田素子支配人 「ほんとうは散策も楽しい、してほしいんですけれど今はちょっと我慢していただきたいなと思っています」 被害の連絡を受け、宮下知事も… ★宮下知事 「今回この件を受けて県内全域にツキノワグマの出没警報ということで発出をさせて頂きたいと思います　もうともかくおじいちゃんおばあちゃんが行くと言っているご家族の人は絶対止めてください（県の）ホームページ見れないおじいちゃんおばあちゃんいるかもしれませんけども　お子さんやお孫さんが確認しておじいちゃんおばあちゃんここに行くなと是非言って頂きたい」 警察は現場近くの国道103号上にある登山口や獣道には人を襲ったクマがまだいるとして、絶対に立ち入らないよう強く呼びかけています。