アナログスイッチ21st situation『寝不足の高杉晋作』奥谷知弘×田鶴翔吾×佐藤慎哉インタビュー
――奥谷さんは、3回目ということでアナログスイッチさんの面白さをどんなところに感じていますか? 奥谷 まず、みなさんの仲が良いんですよね。全員で楽しく作品をつくっているという感じがすごく強いですし、その空気感が作品にそのまま反映されているなと思います。僕自身、気張ることなく、良い意味でニュートラルな気持ちで臨めるんですよね。まあ、主宰が素晴らしいんでね……。 佐藤 どうした、急に(笑)。 田鶴 急にゴリゴリゴマすり始めたな(笑)! ――外部から劇団の中に入っていくとはいえ、主演ということで「座長として引っ張ろう」という意識は……? 奥谷 いやぁ、僕があんまり「うぇい、行くぞ!」みたいな感じではないんでね(笑)。 田鶴 ないんだ? 奥谷 僕がそれやったら気持ち悪くないですか(笑)? 佐藤 劇団自体がそういう感じじゃないですからね。張り切って誰かが前に行くとかっていうのはないよね。 ――田鶴さんはアナログスイッチに参加してみていかがですか? 田鶴 僕は関西の人間なので、小突き合いとかしばき合いのレベルで面白さを判断するところがあるんですよね、それは物理的なやり取りだけでなく、言葉のやり取りも含めてなんですけど。アナログスイッチさんは、みなさんの小突き合いがメチャクチャ面白いんですよ。単純な「なんでやねん!」「バシン!」っていうやり取りではなくて、嫁姑のやりとりの面白さみたいな、お互いが自分のカードをチラ見せし合っているような。それが舞台の上だけでなく、普段の関係値の中でできてるなというのを見ていて感じるので、僕も早くそこに混ざりたいですね。 ――奥谷さんと田鶴さん、お互いの印象も教えてください。 奥谷 読み合わせが隣同士の並びだったんですけど……「イケメンだなぁ」と(笑)。 田鶴 デートする(笑)? 奥谷 読み合わせの段階でもう坂本龍馬でしたね。 田鶴 経験を積んだ役者さんって、いろんな武器を持って読み合わせに来るわけですよ。人によっては、他を制圧するような空気をまとって読まれる方もいるんですけど、僕はあれがすごく苦手なんですよね、主演であれどんな立場であれ。知弘は意識してなのかどうなのかわからないけど、すごくフラットでニュートラルなんですよね。だから周りも、そこでいろいろ考えて味をつけていけるんです。それは慎哉さんが言う“スロースターター”と言うことなのかもしれないけど、こちらからしたらすごくやりやすいです。余白を残して一緒につくっていけるんですよね。 奥谷 そうなんです! 田鶴 メチャクチャ得意げじゃん(笑)! 佐藤 さっき「読み合わせ苦手」って言ってたじゃん(笑)。 取材・文・撮影:黒豆直樹 <公演情報> アナログスイッチ 21st situation『寝不足の高杉晋作』 公演期間:2024年11月13日(水)~11月17日(日) 会場:新宿シアタートップス