完敗、3連敗の阪神・金本監督が「打破するのは監督、コーチでなく選手」
大敗だった。 借金が2桁を越え、接戦を落とすゲームが続くと、かならずと言っていいほど、巡ってくる最悪の事態。10日、甲子園での広島戦は、もう手の打ちようのないようなノックアウト試合。3連敗となった。 ゲームを潰したのは、先発の岩貞祐太(24)。試合後、しばらく岩貞はベンチを動かなかった。 6月3日の西武戦から4連敗中。プロ入り3年目で初めてローテーションに入った左腕は、ここ数試合、疲労の蓄積の影響か、体のキレも下半身のバランスも失っている。この日も、コントロールが定まらない。 立ち上がりに、田中、菊池、丸に3者連続四球。無死満塁として、続くルナには三遊間を破られ、好調の新井にもセンター前へ運ばれ、3失点である。1回を終えるまで打者9人に42球を投じた。 岩貞は2回にも立ち直る様子はなく、田中、菊池に連打を浴びて、丸のセカンドゴロを上本がダイビングキャッチで抑えたが、その間に1点を失い、ルナにもゴロでセンターへ抜けるタイムリー。結局、4つのアウトを取っただけで、金本監督は交代を告げた。だが、後を受けた3連投となる石崎も2つの四球で満塁とすると、鈴木誠也にタイムリー、ピッチャーの戸田にまで1本を許すなど、2回を終えた時点でスコアボードには0-8と絶望的な数字を刻んでしまったのである。 3回にはベンチ前で円陣を組み金本監督は、自ら真ん中に立ち巨人戦に続くゲキを飛ばした。 だが、チャンスは作るが1本が出ない。6、7回は、マテオが6奪三振を奪い、8回を藤川、9回をドリスと勝ちパターンのピッチャーを送って無失点に抑えてベンチの気構えは見せたのだが、終わってみれば、戸田に完封を許した。 試合後、金本監督は、「まあ、見ての通り。球自体はそう悪くはないが、コントロールかな」と、岩貞については多くを語らず、得点力のない打線を「あい変わらず。何も変わっていない」と嘆いた。 円陣の狙いについて聞かれると、「気持ちが足りないというよりも、やはり技術が足りないんだ。特に若い選手に、工夫とか、打席での気持ちの持ちようとか(が足りない)。今(チームの)流れが悪いのは、誰が見てもわかること。これを打破するのは、監督やコーチではない。選手一人、一人。今流れが悪いから仕方ない、では、何も変わっていかない。それだけ」と言って短く、囲み会見を終わらせた。 ここ数試合、結果の出ない江越を3番で使い続けるなど金本監督の“我慢”が見えた。北條、中谷の起用も続けているが、その我慢はなかなか結果には結びつかない。打線が打てないため、頼みの先発にまでプレッシャーがかかり徐々に崩壊していくという最悪のパターン。再浮上の手立てはあるのだろうか。