茨城県内ふるさと納税374億円 23年度 116億円増、最多更新
ふるさと納税制度に基づく茨城県内自治体への2023年度の寄付総額は、前年度から116億3558万円増の374億1935万円となり、4年連続で過去最多を更新した。総務省が2日発表した。寄付件数も72万3931件増の207万723件で過去最多。各自治体による返礼品強化のほか、返礼品の基準を厳格化した昨年のルール改正に伴う駆け込み需要などが影響した。 総額と件数は、県と県内44市町村がそれぞれ受け付けた合計。ともに全国で8番目に多かった。 県内で寄付の受け入れ額が最も多かったのは、境町の99億3812万円。このほか、10億円を超えたのは守谷市の69億468万円、八千代町の22億8350万円など、計9市町に上った。 ふるさと納税を導入している全国約1790自治体のうち、境町は11番目、守谷市は19番目に寄付額が多かった。全国最多は、宮崎県都城市の193億8404万円だった。 県内で寄付件数が10万件を超えたのは3市町。最多は境町の65万9070件で、守谷市32万8590件、八千代町16万3542件と続いた。 寄付額を最も伸ばしたのは境町で、前年度から39億8463万円増えた。昨年10月に返礼品に充てる地場産品の基準を厳格化する制度改正に伴い、駆け込み需要が発生して寄付が急増。能登半島地震の被災地支援のため、被災自治体の事務を肩代わりする「代理寄付」も約4億円に上るなど、総額を押し上げた。 八千代町は寄付額が前年度から2.4倍に拡大。22年度以降、返礼品の取り扱い品目を増やし約600品目まで充実させたほか、地元の即席麺メーカー「ヤマダイ」製品に対する「リピーターが増えた」(町産業振興課)ことなどが要因という。 近年、寄付額が減少していた日立市は4年ぶりに前年度比で増加に転じた。昨年度から、返礼品として提供している日立製作所の洗濯機提供エリアを、従来の関東地域から全国に広げたことで人気が高まった。 ふるさと納税は自治体を選んで寄付すると、上限内なら寄付額から2千円を差し引いた分、住民税と所得税が軽減される。総務省は23年10月、返礼品が地場産品に該当するかどうかの基準や募集経費を寄付額の50%以下とするなど、ルールを厳格化している。
茨城新聞社